患者の負担を減らす放射線治療― ガンマナイフの仕組みやメリット・デメリットを知る
◇今後のガンマナイフ治療への期待
ガンマナイフの出現によって、外科手術や従来の放射線治療では治療が困難であった病気に対しても、治療できる可能性が広がりました。正しい知識と技術をもってガンマナイフ治療を行えば、副作用もきわめて少ないことが研究によって明らかになっています。 ガンマナイフ治療装置そのものも改良が加えられ、治療可能な対象も広がっています。また、どんな疾患にどのぐらいの線量を照射すれば効果が得られるのかといったことについても研究が進められ、世界規模で一定の見解が出ています。 今後の期待としては、公的保険の適用となる病気の拡大ではないでしょうか。日本の保険診療では、ガンマナイフで治療可能な病気は、脳腫瘍、脳血管障害、三叉神経痛のような神経の機能性障害の一部となっています。そのほかにもガンマナイフは、本態性振戦、強迫神経症、てんかんの治療などにも有効で世界では多く行われていますが、残念ながら日本では保険適応にはなっていません。 今後はさらに保険適用できる範囲が広がり、より多くの患者さんがガンマナイフ治療のメリットを享受できることが望まれます。
メディカルノート