なぜ井上尚弥はカシメロ王座保持のWBO裁定に怒りを爆発させたのか…3つ目のベルト獲りの来春対戦相手はドネア一本で決まり?!
“モンスター”井上尚弥(28、大橋)がターゲットとするWBO世界バンタム級王者、ジョンリエル・カシメロ(32、フィリピン)の王座の保持が認められた。WBOが23日に公式声明を発表したもの。 カシメロは11日(日本時間12日)にドバイで行われる予定だった同級1位のポール・バトラー(33、英国)との指名試合の前日計量を「ウイルス性胃炎」によりキャンセル。WBOは「10日以内に医療診断書を提出すること」を条件に王座保持を認める方針を明かしていたが、期限内に提出された診断書により「胃炎」の医学的根拠が認められ「15日以内にバトラーとの指名試合の日程に合意すること」の条件付きで王座保持を承認した。 あまりに不可解な裁定に井上はツイッターにて「一気に興味がなくなった。ダセェ奴だ」などの怒りのコメントを発信。来春に予定されているビッグマッチの相手は、WBC世界同級王者、ノニト・ドネア(39、フィリピン)1本に絞られることになりそうだ。
「胃炎」診断書認めるも15日以内にバトラー戦日程決めよ
WBOは、この日、公式HP上で6ページに及ぶ裁定書を公開した。これまでの経緯を説明しつつ、「提出された証拠は正当な理由として十分であると考え、カシメロはWBO王者の地位を保持する」という決定を明かした。 「胃炎」による計量キャンセルを受けてWBOは、「10日以内の医療診断書提出」を求めていたが、同裁定書によると、カシメロサイドの弁護士であるスティーブ・パシッティ氏が、期限内の12月14日にカシメロを現地で診断したアメリカンホスピタル・ドバイのデリック・ムーア救急医療部長による医療診断書を提出。またチーム・カシメロが、カシメロの医療状況やドバイ・ボクシングコミッション、指定医などについてフィリピン語で話しているとされるユーチューブの動画のリンクをEメールで送付したという。 ただし、王座保持には、「興行権を持つプロモート会社の『プロベラム』は、15日以内にカシメロ対バトラーの指名試合の日程を決めること」との条件がついており、この条件を満たさない場合はタイトルの剥奪となる。また、その仕切り直しとなった指名試合には、さらなる厳しい条件が加わった。 「どのような理由であれカシメロが計量に出席しなければ、WBOのタイトルは空位として宣言される。カシメロが怪我、故障に見舞われ、試合を行うことを拒否した場合、あるいは、試合に参加できない場合、どのような理由があろうともWBOの王座は空位として宣言される」