びわ湖マラソン故障欠場の東京五輪代表・中村匠吾…本番は大丈夫か?
びわ湖毎日マラソン(28日、大津市・皇子山陸上競技場発着)の主催者は19日、出場を予定していた東京五輪マラソン代表の中村匠吾(28、富士通)が左腓骨筋腱鞘炎のため欠場すると発表した。 9日のオンライン招待選手発表会見で日本陸連の瀬古利彦マラソン強化戦略プロジェクトリーダーは、「彼の力からすればたぶん3、4割の体調ではないのかな」と中村について話していた。 さらに「目に見えない疲れがあるのかな。リーダーとしては花火を上げたいが、過度な期待を持たれても困る。彼のプレッシャーを緩めてあげたい。優しい目で見てほしい」と要望。中村の状態が良くないことは明らかだった。 中村は元日のニューイヤー駅伝に出場。最長4区(区間2位)でトップに立ち、優勝に貢献している。ニューイヤー駅伝では過去一番の走りを披露しており、5度目のマラソンとなるびわ湖に向けて順調に見えた。しかし、その後は左足の外くるぶし付近に軽い痛みが発生。診断の結果、「腓骨筋腱鞘炎」と判明したため出場を見合わせることになった。中村は所属チームを通じて以下のようなコメントをしている。 「ニューイヤー駅伝以降、最初のレースであり、私自身としても、久しぶりのフルマラ ソンを楽しみにしていました。幸いにも痛みは改善してきており、ジョギングなど軽い練習には支障ないと思われますが、東京五輪に向け、重大な故障につながるリスクを避けるため、よく考えた結果、欠場することといたしました。期待していただいていた皆様には大変申し訳ありません。まずはコンディションを整え東京五輪に向け引き続き練習を重ねていきたいと思います」 びわ湖は2022 年以降の大会を「大阪マラソン」と統合することになり、今年が“最終レース”となる。一番の目玉選手だった中村は欠場となったが、2時間6分台の記録を持つ高久龍(ヤクルト)と井上大仁(三菱重工)、今年3月の東京マラソンで2時間7分台をマークした小椋裕介(ヤクルト)、下田裕太(GMOインターネットグループ)、菊地賢人(コニカミノルタ)らが招待されており、東京五輪代表補欠の橋本崚(GMOイ ンターネットグループ)も一般参加でエントリーしている。 ファイナルステージとなるびわ湖が盛り上がることを期待したいが、気になるのは今夏の東京五輪に向かう中村の状況だろう。男子マラソンは大会最終日の8月8日。本番まで半年を切っている。