1分のために全人生をかける──絶対女王・安井友梨が明かすビキニフィットネスへの葛藤 #なぜ話題
「ビキニの女王」と呼ばれる日本人がいる。彼女の名は安井友梨(40)。昨年、ビキニフィットネスの日本一を決める大会で、8連覇を達成。さらに、世界選手権フィットモデルの部で、日本人として初めて世界一に輝いた。 ビキニフィットネスとは、女性らしい肉体美を競い合うボディビル競技の一つ。なぜ彼女はこの競技に魅了されたのか。40歳を迎えた今年、38年ぶりの日本開催となる世界選手権への思いについても聞いた。(取材・文:飯塚さき/撮影:近藤俊哉/Yahoo!ニュース オリジナル 特集編集部)
世界一に輝いて明らかに違う反響があった
安井友梨の名を業界内で知らない者はいない。これまで、国内の大会では前人未到の8連覇と負け知らず。ビキニフィットネスの絶対女王と呼ばれている。 昨年11月、一躍、脚光を浴びた。スペインで開催された「IFBB世界フィットネス&ボディビル選手権」のフィットモデル一般の部172センチ以下級で優勝すると、「これまでとは明らかに違う反響があった」という。 「たまたま乗ったタクシーの運転手さんや行ったことのないコンビニの店員さんにまで『世界一おめでとうございます』って言ってもらえたり、テレビの朝のニュースで取り上げていただいたりしたことにもびっくりして、こんなにも多くの方に喜んでいただけるんだと、うれしかったです」
安井がビキニフィットネスと出合ったのは、30歳のとき。単純にダイエット目的でトレーニングジムに通い始めたのがきっかけだった。しかし、同じくジムに通った母は減量できたのに、自分は1キロも減らない。疑問を抱いてトレーナーに相談したところ、「何か明確な目標をもったほうがいい」とアドバイスされた。 「ただ何キロ痩せたいではなく、どういう体になりたいのか、何か写真を持ってきてくださいと言われたんです。それで見つけたのが、ビキニフィットネスの初代チャンピオン・新井敬子さんの写真でした。当時住んでいた名古屋に、ボディビルに特化したジムがあると知ったので、すぐに電話して。そこのコーチに『やるからには大会で優勝を目指そう』と鼓舞され、まだビキニフィットネスのこともよくわからないまま、この世界に飛び込んでいきました」