1分のために全人生をかける──絶対女王・安井友梨が明かすビキニフィットネスへの葛藤 #なぜ話題
ラーメンは5年食べてない
ジムへの入会から大会出場まで、わずか10カ月。まずは姿勢改善のためのストレッチや、筋肉を増やすための食事改善など、体を根本的に変える作業から始まった。しっかり食べて体を鍛え、まずは増量する。そして大会の3カ月ほど前から減量に入る。過酷な日々が始まった。しかし、努力の成果は目に見えて表れる。 「ある日、人生で初めて自分の腹筋がシックスパックに割れているのを見て、感動しました。本当に最初の半年くらいはひたすらストレッチをして、トレーニングは最後の15分くらいだったので、これで本当に大会を目指せるのかなと不安だったんです。でも、最後の3カ月くらいでトレーニングも本格的になって、大会当日は全然違う体になっていました」
長年コンプレックスだった172センチの高身長は、持って生まれた武器になり、コーチに言われて嫌々始めたブログやSNSでの発信は、少しずつ楽しいものになっていく。競技を通じて、いままでとは違う自分が見えてきた。 「競技を始める前は、朝は食べずに昼はラーメン、夜は飲み会、野菜は一切食べないみたいな生活を毎日していて、不健康の塊でした。そんな私が、いまはカロリーをしっかり計算して、一日6食に分けて、食べるものすべてをコントロールしている。本当に健康になりましたね。食事の管理と日々のトレーニングで、筋肉がつくだけでなく、髪はさらさら、肌もすべすべ、肩こりやむくみもなくなり、体の不調が一切なくなりました。大好きだったお酒もやめて、ラーメンも5年くらい食べていません。食べたいとすら思わなくなるので不思議です」
大会までに15キロ減量の過酷な競技
体形だけでなく、体質や生活、そして精神面を変えてくれたビキニフィットネス。 シーズンオフは体重65キロだが、大会シーズンに入るときには15キロも減らし、ウエストも80センチからシーズンのピークには50センチに絞るという過酷な競技だ。さらには、まだまだ根深い偏見もある。 「私の家族も、最初は大反対でした。裸同然の格好で、おしりを突き出して何事ですかと。いまだに、セミナーで全国に行くと、同じように家族に反対されているとか、周りから理解を得られないと嘆く女性がたくさんいます。そんななか、テレビの『情熱大陸』に取り上げていただいたことを機に、周りに言いやすくなったとか、応援してもらえるようになったと話してくれる女性が増えたんです。私も競技を続けてきてよかったと思えた瞬間でした」