タイアップがなくなってもライブハウスに似合う曲を演奏し続ければいい――結成26年にして紅白初出場、10-FEETのスタイル #なぜ話題
2023年の「第74回NHK紅白歌合戦」に初出場する10-FEET。メンバーの愛する「スラムダンク」の映画版のエンディング主題歌「第ゼロ感」が大ヒットし、1997年に結成したバンドがついに紅白に出場することになった。現在も活動拠点は出身地の京都に置き、2007年からは野外フェス「京都大作戦」を主催している。地元を大切にしながらつかんだ「スラムダンク」主題歌と「紅白」。その歩みをメンバーのTAKUMA(48・ボーカル、ギター)、NAOKI(46・ベース、ボーカル)、KOUICHI(48・ドラム)に聞いた。(取材・文:池守りぜね/撮影:堀内彩香/Yahoo!ニュース オリジナル 特集編集部)
僕らが紅白に出ていいのかな
紅白歌合戦への初出場が決まった時の心情を問うと、TAKUMAは「規模が大きすぎて、僕らが出ていいのかなって思いました」とはにかみながら答えた。 10-FEETは結成26年を迎える実力派バンドだ。「第ゼロ感」のヒットで広く知られることとなったが、これまでも年間100本近いライブ活動を行ってきた。ライブを主体に活動してきた彼らにとって、紅白という舞台は予想外だったという。 「10-FEETとしての目標のなかに、紅白は入っていなかった。そもそも出られるわけないと思っていた」(TAKUMA) 「歴史のある番組だし、僕らの音楽とは種類が違うんやろうなって感じていた」(NAOKI) 「たくさんの人が見はる番組やと思うので、光栄やなって思いました。友だちや親戚、昔の知り合いからも連絡があったので改めてすごいことなんだって感じました」(TAKUMA) 「ファンからも“おめでとう”って言ってもらえたからね」(KOUICHI)
「第ゼロ感」誕生のきっかけは、映画「THE FIRST SLAM DUNK」だった。TAKUMAは「主題歌の話を聞いた瞬間から、制作モードに入っていましたね。断る理由なんてない」と熱く語る。 「僕たちの世代にとっては、『スラムダンク』の影響でバスケ部に入る子もたくさんおったくらいみんながハマっていた。安西先生の『あきらめたらそこで試合終了ですよ』っていう名セリフ以外にも、いろんな人の人生にとって影響を与えている作品。だからこそ映画の主題歌に抜擢されたのは、本当にすごく嬉しい話やなと思いました。プレッシャーとか迷いとかも全部すっ飛ばして、“今すぐ曲を考えないと間に合わへん”くらいやる気に満ちていた」(TAKUMA)