【図解】「強い風」「猛烈な風」…風の強さの基準とは? 想定される被害は?
日本列島を毎年襲う台風。大雨を伴い、各地に大きな災害をもたらすことがありますが、近年は風による被害もクローズアップされています。ニュースなどで「強い風」「猛烈な風」といった用語を耳にしますが、どんな基準があり、どんな被害が想定されるのでしょうか。 【図解】台風の強さと大きさ「猛烈」や「大型で強い」の意味は?
●平均風速で4段階に分類
そもそも台風は、北西太平洋または南シナ海にある熱帯低気圧のうち、最大風速(10分間平均)が毎秒17メートル以上に発達したもののことをいいます。 実は、気象庁は風の強さの表現を「やや強い風」「強い風」「非常に強い風」「猛烈な風」の4段階に分けています。 分類する際の基準は「平均風速」です。平均風速とは10分間の平均で、この値が毎秒10メートル以上15メートル未満は「やや強い風」、15メートル以上20メートル未満は「強い風」、20メートル以上30メートル未満は「非常に強い風」、30メートル以上は「猛烈な風」となります。 ちなみに、「瞬間風速」という言葉もよく聞きます。平均風速が10分間の平均であるのに対し、瞬間風速は3秒間の平均です。風は強まったり弱まったりするので、瞬間風速は平均風速の1.5倍程度になることが多いですが、大気の状態が不安定な場合などは3倍以上になることもあります。
●想定される人や建物への影響
こうした強風は、私たちの生活にどのような被害をもたらすのでしょうか。風の強さごとに見てみると、以下のようなものが想定されます。 ・「やや強い風」が吹くと、傘をさせなくなり、樹木全体や雨樋(あまどい)が揺れ始める。 ・「強い風」が吹くと、風に向かって歩けなくなり、転倒する人も。高所作業は極めて危険に。電線が鳴り始め、看板やトタン板が外れ始める。屋根瓦などもはがれるものがある。 ・「非常に強い風」が吹くと、何かにつかまっていないと立っていられない。細い木の幹が折れたりする。車は通常の速度で運転できない。屋根瓦などが飛散し始め、固定されていないプレハブ小屋は移動、転倒する。ビニールハウスのフィルムは広範囲に破れる。 ・「非常に強い風」から「猛烈な風」になってくるにつれて、屋外での行動はより一層危険になる。電柱やブロック塀が倒れ、走行中のトラックも横転する。建物の外装材が飛散し、ひどくなると住家の倒壊や鉄骨構造物の変形が起きる。