豪雨時の河川「氾濫警戒情報」って何? 水位と洪水予報の関係 #災害に備える
局地的大雨(ゲリラ豪雨)や台風による大雨の際、ニュースで「○○川が氾濫危険水位」とか「××川に氾濫警戒情報」などの言葉を耳にすることがあります。これらは、そもそもどういう情報で、どの程度の緊急性や危険度があるのでしょうか。 「氾濫危険水位」は河川の水位の状態、「氾濫警戒情報」はその水位に伴う洪水予報の段階の一つです。気象庁と国土交通省などがあらかじめ指定した河川(指定河川)については、それぞれの水位に対応する形で、洪水の発生危険度を示す指定河川洪水予報(洪水予報)が発表されます。
洪水予報が発表される指定河川とは?
洪水予報は、ある水位に達したら機械的に出されるわけではありません。例えば、避難判断水位に達したら必ず氾濫警戒情報が発表されるのではなく、気象庁と国土交通省、または都道府県が「今後さらに増水しそうか」などの水位の見通しを踏まえて判断します。 指定河川洪水予報の対象となる河川は大きく分けて2種類あります。一つは利根川や木曽川、淀川などのように複数の都府県にまたがる河川、あるいは流域面積の大きい河川で、国土交通大臣が指定します。2022年5月26日現在、298河川あります。これは気象庁と国土交通省が共同で洪水予報を実施しています。 もう一つは東京の神田川や目黒川などのように一つの都道府県を流れる川などで、気象庁と協議の上で都道府県知事が指定します。2022年5月26日現在、35都道府県で128河川あります。これは気象庁が都道府県と共同で洪水予報を実施しています。 このほか流域面積が小さいため、洪水予報の対象外ではありますが、洪水により重大な損害を生じる恐れがあるため、避難判断水位(特別警戒水位)を定めて、この水位に到達した旨の情報を出すことになっている水位周知河川というものもあります。 ニュースで近くの川の水位や洪水予報に関する情報が出た場合は注意しましょう。 水位には5つの危険度レベルがあります。危険度の低いものから並べると、レベル1=水防団待機水位(洪水予報の発表なし)、レベル2=氾濫注意水位(氾濫注意情報)、レベル3=避難判断水位(氾濫警戒情報)、レベル4=氾濫危険水位(氾濫危険情報)、レベル5=氾濫の発生(氾濫発生情報)となります(()内は洪水予報の標題)。