ジャケット、ニューヨーク流でオン・オフ自在に マイケル・コース コレクションから
連載《ファッションハック》Vol.36
ジャケットといえば、お仕事ルックの「顔」的な存在。そのジャケットを多彩に着こなすスタイリングが新トレンドに浮上してきました。オーソドックスなクラシカルやトラッドといったテイストを再評価する流れが背景にあります。 【写真はこちら】もっと見る!文章だけでは分からない、記事で紹介したコーデのお手本にしたいルックの数々はココからチェック! オンとオフをシームレスに泳ぐように暮らすニューヨーカーは、こうしたジャケット使いのお手本。米国のニューヨーク・モードを代表するブランド「MICHAEL KORS COLLECTION(マイケル・コース コレクション)」が提案する2024-25年秋冬コレクションから、ジャケットのアレンジコーディネートをご案内します。
■ジャストサイズでパンツルックに品格 リッチ感も
英国のダイアナ元皇太子妃の姪(めい)にあたる、双子のスペンサー姉妹は若きファッションリーダー。2人がお手本を示している通り、ジャケット使いの基本形はやはりスーツです。 2人並んだ写真の左側、姉のレディー・エリザ・スペンサーがまとったパンツスーツは端正な着映え。凜(りん)としたエレガンスが薫るのは、隙のないジャストサイズだからです。 スーツ姿は見慣れているだけに、ジャケットに凝ったディテールをあしらって、ありきたりを抜け出したいところ。黒ジャケットの襟にはスパンコールを配して、Vゾーンをつやめかせています。地味に見えがちな黒スーツにグラマラス感を上乗せ。パンツの両サイドにもスパンコールを走らせています。 妹のレディー・アメリア・スペンサーは対照的な白一色のスーツに身を包みました。白スーツは一見、無地に見えて、実は透明なスパンコールが全体に施されています。控えめにリッチ感を醸し出すディテールです。
■ダブルブレスト復活 ハーフパンツとも好相性
クラシックな装いが盛り上がるトレンドの流れで、紳士服ライクなダブルブレストのジャケットがリバイバルしつつあります。 打ち合わせの深いダブルブレストは、エグゼクティブ感を漂わせてくれます。2列に並んだボタンも格上げ効果を発揮。スーツ姿に落ち着きを加えてくれるジャケットです。 グレーのジャケットは襟が広めで、ウエストシェイプの利いたシルエットが端正な佇(たたず)まいで目を引きます。 オーソドックスな仕立てだからこそ、ボトムスで「決まりごと」を踏み越える余地が生まれます。膝上丈のハーフパンツで合わせて、現代的に着こなしました。 端正なスーツ姿に軽やかさが備わっていて、今風でありながら、「きちんと感」も出せるスタイリングです。