“名将”ノムさんがヤクルト監督ならオリックスの16連勝中“5冠エース”山本由伸をどう攻略するか?
いよいよ明日20日からプロ野球の日本シリーズ、オリックス対ヤクルトが京セラドーム大阪で開幕する。前年度、最下位同士の日本シリーズは史上初。注目はレギュラーシーズン、クライマックスシリーズと目下16連勝中のオリックスの“5冠”エース、山本由伸(23)対ヤクルト打線の対決だろう。シリーズの開幕投手を任されると見られている山本は第1戦、第6戦と2試合に登板が可能。ヤクルトは山本を攻略できなければ20年ぶりの頂点に立つのは難しくなる。かつてヤクルトを率いて3度日本一を手にした故・野村克也氏ならば、山本をどう攻めるのか。“ノムラID野球”を継承している橋上秀樹氏に聞いてみた。
山本vs奥川のエース対決は避けるべき?
山本で始まり山本で終わるシリーズになるのか。 前年最下位チーム同士による史上初の日本シリーズの焦点は間違いなく、最多勝(18勝)、最優秀防御率(1.39)、最多奪三振(206)、最高勝率(.783)、完封(4試合)の5冠を獲得したオリックスのエースの山本vs12球団最多得点を誇るヤクルト打線になるだろう。 山本は目下16連勝。しかも、その怒涛の連勝がスタートしたのは5月28日、交流戦のヤクルト戦だった。この試合山本は、3回までに8点の大量リードをもらい4回に二死から青木、サンタナの連続タイムリーで2点を失ったが、7回5安打2失点にまとめ、4勝目を挙げている。ちなみに序盤にKOされたヤクルトの投手はソフトバンクから緊急移籍したバンデンハークだった。 山本をどう攻略すべきか。オリックス時代のイチローを攻略し、黄金期の西武に土をつけ、ヤクルトを3度日本一に導いた名将、故・野村克也氏ならどうしただろう。ヤクルト、阪神の現役時代にノムラID野球を叩きこまれ、野村氏が楽天監督時代には“参謀“を務めた現新潟アルビレックスBC監督の橋上秀樹氏は、こう考える。 「野村さんなら、まず打つ手立てのみつからない山本の攻略を考える前にシリーズ全体をトータルで考えて、奥川というエースを山本にぶつけることをやめると思いますよ。山本には、他の投手をぶつけて、捨てゲームを作り、第2戦に奥川を立てて確実に1勝をとりにいき、1勝1敗でシリーズをスタートするでしょう。1993年の西武との日本シリーズでも野村さんは、開幕投手にシーズン中にはエースとしてローテーを任せたわけではなかった荒木大輔さんを立てたことがあります。西武の開幕投手は防御率タイトルを取った左腕の工藤公康さんでマッチアップを避けたんです」