なぜ巨人はCSファイナルSで1勝もできなかったのか
セ・リーグのクライマックスシリーズのファイナルステージ第3戦が12日、神宮球場で行われヤクルトが巨人に2-2で引き分け、リーグ優勝チームの1勝のアドバンテージを含めた3勝1分けで日本シリーズ進出を決定した。ヤクルトは先発の原樹里が打球を受け2回途中に退場するアクシデントがあったが、7回に青木宣親の同点タイムリーで追いついた。巨人は打順を大幅に組み替えて臨んだが、最後まで打線は機能しなかった。
対照的だった1、2番の働き
燕の高津監督が5度、神宮に舞った。 「リーグ優勝は横浜スタジアムだったのでぜひ神宮で胴上げしてもらいたいなと念願かないました。凄く難しい戦いだったのですが、選手の強さ、成長を感じて勝つことができた。集まっていただいたファンの皆さんの前で決めることできて凄く幸せな気分です」 その光景を見ることなく巨人の原監督ら巨人のメンバーは球場を去った。坂本は悔し涙を浮かべていた。昨年は日本シリーズでソフトバンクにスイープされたが、今年はCSでヤクルトに一矢も報いることもできず屈辱的な敗退となったのである。 ヤクルトと巨人の明暗を分けたものはなんだったのか。昨年まで阪神で7年間コーチを務めた評論家の高代延博氏は、「打てなかった打線、5回以降の中継ぎ陣とシーズンを通じて抱えていた巨人の課題をCSでも解消できなかった」と、巨人が抱えていた2つのウイークポイントを指摘した。 「打線は2冠王の岡本の不在が響いたことは間違いない。加えて打つべきボールを打てていないというインサイドワークの部分と、打撃フォーム、タイミングの崩れという技術的な問題のどちらも修正することができなかった。打線を入れ替えたが、不振の打者に好機で巡ってくるという流れを断ち切ることをできずヤクルトの3安打に対して7安打を打ったが、得点には直結しなかった」 立ち上がりに二死一塁から代役4番の丸が三球三振。しかもバットを一度も振らない見逃しの三振だった。全球インコースへのストレート。 「おそらく外、変化球を狙っていたのかもしれないが、2球目は甘いボールだった。CSファーストステージの阪神戦では、チームとしてできていた割り切った絞り球が裏目に出たのだろうが、打つべきボールは振らないと打線は活気づかない」と高代氏。