ケガがなければもっと…。現役の「ガラスの天才」日本人選手10人。相次ぐ不運に泣かされているのは?
FW:安部裕葵(あべ・ひろき) 生年月日:1999年1月28日 所属クラブ:浦和レッズ 今季リーグ戦成績:出場なし 2017年に瀬戸内高校から鹿島アントラーズに加入した安部裕葵は、高卒1年目からリーグ戦13試合に出場すると、翌シーズンは同22試合に出場しベストヤングプレーヤー賞を受賞した。2019年からは、背番号を鹿島のレジェンドの1人であるジーコも着けた10番に変更。コパ・アメリカに臨む日本代表にも招集された。 その相手を手玉に取るようなプレーは海の向こうのスカウト陣をも唸らせる。2019年の夏、安部はバルセロナBへの完全移籍を果たす。20歳にしてラ・マシアへと加入し、順調にステップアップしてきた同選手だったが、翌年2月に負った大腿二頭筋の怪我が彼のキャリアに影を落とした。復帰後もこの部分の怪我が癖になってしまい、20/21シーズン、21/22シーズンともに同箇所の負傷で全くといっていいほど稼働することができなかった。 昨年夏、契約満了に伴いバルセロナBを退団した安部は、浦和レッズへと加入した。5シーズンぶりのJリーグ復帰となったが、コンディションがなかなか上がらず、2023シーズンは出場なしに終わる。今シーズンはシーズン前のトレーニングマッチで得点を記録するなど、怪我をしてもその技術は健在だったが、まだ浦和でデビューするまでには至っていない。海外挑戦の頃に思い描いたキャリアとは違うものとなってしまったかもしれないが、彼はまだ25歳。トップフォームに戻り、鹿島時代のようなプレーを期待したい。
MF:山田直輝(やまだ・なおき) 生年月日:1990年7月4日 所属クラブ:湘南ベルマーレ 今季リーグ戦成績:6試合0ゴール0アシスト 「浦和レッズアカデミー黄金世代」のなかでも一際輝きを放っていた山田直輝は、怪我の為に浦和で活躍することができなかった。 山田はジュニアユースの頃から浦和アカデミーに在籍しており、ジュニアユース、ユースと各年代でチームの中心として優勝を経験している。特にユースの日本一決定戦ではハットトリックを記録する大活躍だった。その才能は世代屈指で、U-17日本代表では背番号10を背負うなど大きな期待を寄せられていた。 同選手はそのまま17歳でトップチームに昇格し、Jリーグデビューを果たす。実質的なプロ1年目となった2009年シーズンは20試合に出場し、中盤の要として躍動。その活躍が評価され、5月には18歳という若さでA代表に選出された。初出場となったチリとの一戦では途中出場ながら代表初アシストを記録し、全国にその名を轟かせた。 しかし、その後は長く怪我に苦しむ日が続く。試合中の右足腓骨骨折や、接触による左足前十字靭帯損傷など不運が相次ぎ、出場濃厚と思われていたロンドン五輪に出場することができなかった。その後も怪我の影響でほとんど出場機会を得られないまま、2015年、湘南ベルマーレに1度目の期限付き移籍となった。同クラブで3シーズンを過ごしたのち2018年に再び浦和へ復帰するが、そのシーズンに3度目となる右足腓骨の骨折で期待に応えられない日々が続いた。 2019年、湘南に2度目の期限付き移籍をすると、翌シーズンに完全移籍。昨季までの16シーズンの中でシーズンを完走できたのはわずか2シーズンのみと、怪我に泣かされたプロキャリアとなってしまっている。