ケガがなければもっと…。現役の「ガラスの天才」日本人選手10人。相次ぐ不運に泣かされているのは?
MF:大島僚太(おおしま・りょうた) 生年月日:1993年1月23日 所属クラブ:川崎フロンターレ 今季リーグ戦成績:出場なし 2011年に静岡学園からプロの世界に飛び込んだ大島は、ルーキーながらリーグ戦9試合に出場した。視野の広さを活かした変幻自在なパスと、華麗なボールタッチで中盤を支配し、同クラブのレジェンド・中村憲剛の後継者として期待されていた。2014年から本格的にレギュラーとして開花すると、2016年に行われたリオ五輪のメンバーにも選ばれ、世代を代表する選手の1人になっていくと思われていた。 しかし、大島はこの頃から慢性的な怪我に悩まされる。2016年シーズンに3度ふくらはぎの負傷で離脱すると、翌年も肉離れが相次いだ。2018年のFIFAワールドカップ・ロシア大会ではメンバーに選出されたものの、怪我の影響で出場なしに終わった。 この年はW杯期間中以外ほとんど離脱することなくJリーグベストイレブンを受賞しチームのリーグ連覇に貢献したが、翌年からはこれまで以上に怪我が増加し、2019年はリーグ戦19試合、2021年はわずか同7試合の出場に終わった。怪我が頻発に起こっていることもそうだが、怪我からの復帰が長引いていることも問題で、昨季は肉離れでシーズン後半を全休。チームの全体練習に再合流したのは、今年4月のことだった。 現在31歳の同選手だが、今季は未だ出場なし。フロンターレ一筋の天才ゲームメイカーがピッチ上で輝く姿を1試合でも多く見たい。
MF:深井一希(ふかい・かずき) 生年月日:1995年3月11日 所属クラブ:北海道コンサドーレ札幌 今季リーグ戦成績:出場なし 北海道コンサドーレ札幌のバンディエラ・深井一希は、5度の前十字靭帯断裂を乗り越えてきた苦労人である。 U-12から同クラブのアカデミーに在籍し続けている深井は、U-17日本代表に選ばれるほどの実力者だった。2012年にトップチームへと昇格すると、翌年のリーグ戦で19試合に出場し、次世代の札幌を担うボランチとして名乗りを挙げた。 しかし、右肩上がりの成長曲線を見せると思われていた深井を悲劇が襲う。2013年11月の練習中に左膝前十字靭帯断裂の大けがを負い、長期間の戦線離脱を余儀なくされる。その傷も癒え復活に向け再始動した1ヶ月後に、今度は右膝前十字靭帯を断裂し、ほぼ1シーズンをふいにしてしまった。 それでも、リハビリを乗り越え2016年にはJ1昇格にも貢献した。自身初のJ1の舞台となった2017年シーズンだったが、ここで3度目の前十字靭帯断裂。3度の大怪我からの復活は想像を絶するものだったはずだが、翌シーズンの開幕戦に名を連ね、リーグ戦28出場を記録。翌2019年は33試合出場と見事なカムバックを果たした。 その後も札幌の中盤を支えてきた深井だったが、2022年に4度目の前十字靭帯断裂を負う。昨シーズンオフにも膝にメスを入れており、深井の膝は限界に近いのかもしれない。それでも、今まで何度倒れても立ち上がってきた不屈の男は、必ずピッチに帰ってくるだろう。