ケガがなければもっと…。現役の「ガラスの天才」日本人選手10人。相次ぐ不運に泣かされているのは?
MF:米本拓司(よねもと・たくじ) 生年月日:1990年12月3日 所属クラブ:名古屋グランパス 今季リーグ戦成績:13試合0ゴール1アシスト 米本拓司といえば、中盤の底で猛烈にプレスをかけ、献身的な守備でピンチを未然に防ぐダイナモだが、彼も何度も選手生命に関わる大けがを負ってきた選手のうちの一人だ。 伊丹高校時代にU-17日本代表に選出されたこともある米本は、高校卒業と同時にFC東京へと加入した。プロ1年目の2009年からボランチでレギュラーの座を奪うと、リーグ戦28試合に出場する大車輪の活躍を果たす。ナビスコカップ(現YBCルヴァンカップ)の決勝戦ではMVPに輝く活躍でクラブにタイトルをもたらし、東京の希望の星となっていた。 しかし、順風満帆なデビューシーズンを過ごし、さらに飛躍の1年としたい2年目だったが、悲劇は突然訪れる。2月の練習中に左膝前十字靭帯を損傷する大けがを負い、シーズンの大半を棒に振ってしまった。翌シーズンの4月にも同じ個所を負傷してしまい、1試合のみの出場に終わった。それでも2012年からは再びレギュラーを掴み、安定したパフォーマンスを見せていたが、2016年に今度は右足前十字靭帯を断裂し、長期離脱を余儀なくされた。 3度目の前十字靭帯の怪我から復帰して以降は、それを感じさせないプレーを続け、2019年からは名古屋グランパスへと移籍。2021年に右膝半月板損傷を負い、翌年湘南ベルマーレに期限付き移籍となったが、昨季グランパスへ復帰し、今までと変わらないプレーでチームに貢献している。
FW:宮市亮(みやいち・りょう) 生年月日:1992年12月14日 所属クラブ:横浜F・マリノス 今季リーグ戦成績:15試合1ゴール1アシスト 18歳で欧州の名門の一員となった宮市亮は、ガラスの天才の代名詞的存在といえるだろう。 宮市は中京大中京高校を卒業後、2010年末にJリーグを経由せずアーセナルへと加入することが決まった。イングランドの就労ビザが下りず、フェイエノールトにレンタル移籍で加入となったプロ1年目はシーズン途中の加入ながらも12試合3ゴール5アシストと、ポテンシャルを存分に発揮。11/12シーズンはレンタル期間も終わりイングランドに戻ると、リザーブチームでリーグ戦8試合に出場し、1得点2アシストをマーク。日本を代表するスピードスターが誕生したかに思われた。 しかし、ここから苦悩の日々が続く。19歳で加入したウィガンでは右足首靱帯を2度損傷し、FAカップ制覇に貢献したとはいえない結果に。2015年に加入したドイツのザンクトパウリでは、在籍した6シーズンで左右の膝前十字靭帯断裂を経験した。 2021年夏にザンクトパウリを契約満了となると、横浜F・マリノスと契約し、28歳にして初のJリーグ挑戦となった。2022シーズンには開幕から好調をキープし、E-1サッカー選手権に臨む日本代表にも選出された。2012年以来となる代表復帰に注目が集まったが、韓国代表との試合中に右膝前十字靭帯断裂の大けがを負ってしまった。 それでも、翌シーズンに見事復活を果たすと、今季も主にスーパーサブとしてJ1の15試合に出場。FC町田ゼルビアとの一戦では今季初ゴールも記録した。数えきれない怪我の中でも、宮市はプレースタイルを変えながらチームに欠かせない存在となっている。