横浜DeNAラミレス監督は「野球は流れのスポーツ」と言った…なぜ3連敗の巨人を再び目覚めさせてしまったのか?
いわゆる内野のサインの徹底ミスである。山崎がカットしていれば防げる失点。まだ4点差であれば、DeNA打線の破壊力をすれば、残り3イニングで巨人にプレッシャーはかけられたはずである。だが、この1点で、楽になった巨人に高梨ー中川ーデラロサの完封リレーで成立させてしまった。 ラミレス監督は、試合後、メディアに鋭くこの点を突かれたが、「ミスコミュニケーション? いや、そうじゃない。送球がそれて柴田がそれを捕り損ねて点が入ったってことだよ」と説明した。 ひょっとすれば、集中力を欠いていたのは、指揮官の方だったのかもしれない。 巨人にマジックは「32」に減った。もはや逆転優勝は奇跡に近いものではあるが、横浜DeNAは、この3連戦前には、巨人との直接対決を12試合残していた。あくまでも机上論だが、全勝すれば単純に12ゲームが縮まる。しかも巨人は泥沼にはまりかけていた。だが、畠の気迫と、横浜DeNAの野球が、せっかく眠りかけた巨人を再び目覚めさせてしまったのである。 巨人、楽天、西武などでヘッド、戦略、作戦コーチを務めたことのある野球評論家で新潟アルビレックス・ベースボール・クラブ強化アドバイザー兼総合コーチの橋上秀樹氏が、「阪神と横浜DeNAと巨人の野球の決定的な差は、執着心と集中力。つまり野球の質の問題。そして、それをチームに作る監督力の差だと思う」と指摘していたが、その違いが如実に出たゲームである。 横浜DeNA打線の破壊力はセ・リーグでナンバーワンである。逆襲のポテンシャルがあるとすれば、2位の阪神ではなく横浜DeNAのはずだが、選手任せの野球では限界があるのかもしれない。 今日21日からは2位阪神との3連戦。 「阪神とは簡単な試合にはならないだろう。100パーセントのベストを尽くし、いい結果をもたらしたい」とラミレス監督。巨人との直接対決は、まだ9試合ある。入場人数の制限が緩和されたファンに消化試合を見せないためにも10月6日からの巨人3連戦までに、もう一度再挑戦の準備を整えておかねばならない。