原監督が阿部ヘッド代行を決断した背景に見えた独走の秘密
巨人が16日、東京ドームで行われた阪神戦に7-6で勝ち8年ぶりの9連勝、マジック対象チームの阪神への勝ち越しが決まったことでマジックを「3」減らし「35」とした。元木大介ヘッドコーチ(48)が虫垂炎となった非常事態に阿部慎之助2軍監督(41)をヘッドコーチ代行としてベンチ入りさせ、坂本勇人(31)、岡本和真(24)が体調不良でスタメンを外れたが、阿部2軍監督がファームで鍛えた“阿部チルドレンの”田中俊太(27)、立岡宗一郎(30)が大活躍して阪神の反撃を寄せ付けなかった。試合後、原辰徳監督(62)は、「ワンチーム」「最善策」というフレーズで緊急対応の経緯を説明したが、今季の巨人の強さを象徴するようなゲームになった。
阿部ヘッド代行が異例の円陣声出し
試合前のベンチ前円陣での“声出し“を任されたのは阿部ヘッド代行だった。 阿部ヘッド代行は「特に何もないんだけど」と照れ臭そうに笑いを浮かべたが、「とにかく今日出る人、普段は、出てなくてスタートの人はチャンスだと思って、印象を付けておく。コンコンと(ヒットを)打ったら(原監督も)明日使おうとなるから、そう思ってチャンスだと思って頑張ってください!」と、今季初スタメン抜擢となった田中、立岡らにメッセージを送った。 その2人が檄に応えた。 体調不良の坂本、岡本に大事を取らせた原監督は、阪神のアンダースロー、青柳対策という考えもあって、9人左打者を並べ、田中、立岡という2人の“阿部チルドレン“を今季初スタメンで起用した。 先陣を切ったのは「7番・三塁」の田中だった。二回一死からライトスタンドへ先制のソロアーチ。 「打った瞬間は、覚えていないんですけど、打球がいい感じで上がってくれた」という田中は、青柳の”ゴロ地獄”にはまらないように目付を高くし、インハイのシンカーを強引に引っ張った。 4回には「8番・レフト」の立岡が続く。一死から田中が、右翼線二塁打で出塁すると、センターへタイムリーヒット。ファウルで粘って青柳を追い込み、フルカウントから、ど真ん中に入ってきた甘いツーシームを見逃さなかった。 「三振だけをしないように。前に飛ばせば何かが起きると、必死にいきました」 イースタンで阿部2軍監督に厳しく鍛えられてきた“阿部チルドレン”のバットは止まらない。