横浜DeNAラミレス監督は「野球は流れのスポーツ」と言った…なぜ3連敗の巨人を再び目覚めさせてしまったのか?
先発を告げられたのは前日の夕方。降って湧いたようなチャンスに畠は、「やってやるぞ、という気持ちだった」という。ラミレス監督が言うように「野球は流れのスポーツ」であり、その流れを左右するのは気持ち、つまり集中力である。 4回に先頭のオースティンのセンター前へ抜ける打球を吉川尚がジャンプしてスーパーキャッチ。5回にも先頭の倉本のライトを襲うヒット性の打球をパーラがまた飛びついて捕った。手術や怪我に泣かされ続け、3年間、勝てなかった畠の力投が、「勝たせてやりたい」という集中力になって野手に伝播した。丸は4回に16号2ラン、6回に17号ソロと2打席連続アーチで畠の復活勝利を援護した。 15日にマジックを点灯させた巨人はおかしくなりかけていた。 「余裕の巨人は阪神戦でなめたことをしてから油断したんじゃないか」 そんな声を球界OBから聞いた。 先の阪神戦では、体調不良の坂本、軽い腰痛の岡本をスタメンから外して起用した1軍半の田中俊、立岡が16日の第二戦は活躍して連勝したが、17日には、丸の気の抜けた中継への送球ミスなどが出て0-11で大敗した。横浜に場所を移して坂本、岡本が復帰したが負の連鎖は止められず3連敗した。 だが、畠の人生をかけたピッチングがチームに再び血を巡らせた。 ラミレス監督が、「大貫は悪くなかった。初回はスピードがなく探り探りだったが、2、3回には148キロが出るようになって、かなりいいピッチングをしていた。丸にだけボールが高めにいって2本打たれたが」と言うように先発の大貫は立ち直っていた。 だが、そのだった2球の失投を見逃してくれないのが巨人の野球である。 加えて横浜DeNAは7回にも記録に残らないミスで巨人を助けた。2番手の山崎康が二死を取ってから一、三塁とするピンチを招き、打者、坂本の2球目にダブルスチールを決められてしまったのである。一塁ランナーの松原がスタートを切ると、戸柱はダブルスチールを警戒して、明らかに投手の山崎に向かってカットさせるような送球をした。だが、山崎が、これを身をかがめてスルー。セカンドベースに入っていなかった柴田が、ワンバウンド送球をお手玉し、足元に転がったボールを見失っている間に、三塁走者の吉川尚が余裕で生還した。