年末年始のコロナ対策 これだけは守ってほしい“急所”とは?
政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会が23日に開かれた。終了後に会見した尾身茂会長(地域医療機能推進機構理事長)は、新年会や忘年会、そして帰省など年末年始の過ごし方について「“急所”を押さえた対策」を国民に呼びかけた。政府や感染拡大が続く自治体には、営業時間短縮要請の強化などさらに強い対策を求めた。 【動画】「今から『静かな年末年始』を」 分科会後に西村大臣、尾身会長が会見
●家庭内感染は「結果」
家庭内感染は「原因」ではなく「結果」です――。21日から中2日の記者会見で尾身会長が強調したのはこのことだった。 第3波と呼ばれる流行では、感染経路はそれまでの「夜の街」などよりも「家庭内」の比率が圧倒的に高くなっている。東京都が12月16日時点で公表したデータでは、実に42.3%が「同居する人」から感染している。 「家庭内感染が感染拡大の主要な原因というよりも、原因は上流にあってその結果として起きている」。つまりウイルスは家庭の外から持ち込まれたもので、その上流にあるのは「歓楽街や飲食を介した感染」。これが感染拡大の原因だと指摘した。 コロナ感染者の多くは20~50代で、うつされた2次感染者も多くは20~50代だとのデータを紹介し、夜の街から、その後に家庭内へ感染が広がり、院内感染が起こるといった伝播の傾向がみられると語った。家庭内の感染が次の家庭に飛び火してクラスター(感染者集団)化する事例はあまり見られないという。 ただ、これらはあくまで感染者のつながり(リンク)が追えているパターンでの話だ。感染経路が不明な感染者の割合は全感染例の半数に及んでおり(東京都では約6割)、最も高い割合を占める。こうしたいわゆる孤発例では、どんな経路で感染したのか分かっていないが、分科会では、これらの多くは「飲酒を伴う会食によるもの」だと推定している。 家庭内や病院でのクラスターは、飲食店でのものに比べ、そこにいる構成員が分かっているため「見えやすい」。それに比べて「見えにくい」会食や飲食を通じた感染を抑えることが、大きな感染経路を絶つことにつながるのだとした。