「民間PCRセンター」どう選ぶ? 東京都医師会が助言
都内で開設が相次ぐ「民間PCRセンター」をどう上手く利用すればいいのか――。東京都医師会は22日に開いた記者会見で、こういった検査センターでは「正確な検査ができているか」「適切な医療機関と提携しているか」が非常に大切だと呼びかけた。 【会見動画】東京都医師会の尾崎会長、コロナ対策「真剣勝負の3週間」訴え
適切な医療機関と提携しているか?
同医師会の黒瀬巌(いわお)理事は「PCR検査を受ける機会が広がっていくことは感染予防には大切なこと。上手に民間のPCR検査センターを利用してほしい」と語った。 ただ現状は、こうした民間企業が手がけるPCR検査センターについて「厚生労働省もやっと実態把握のために調査を開始した」段階で、個々の民間センターの情報は十分に得られていないという。 そこで、民間のPCR検査センターを選ぶ際に大切な3つのポイントを紹介した。 黒瀬氏は大前提として「正確な検査ができているか=精度管理」「診断から治療につなぐために適切な医療機関と提携しているか=運営管理」が大事だと説明。 その上で(1)センターを選ぶときは「慎重に」(2)陰性と診断されても「油断しないで」(3)陽性と診断されても「逃げないで」医師に相談する、の3点を守ってほしいと訴えた。
(1)慎重に
具体的には、(1)については「安いからここでいいやではなく、本当に信頼できる検査センターを選んでほしい」。センターを見極める際のポイントとして、▽正確な検査をしているか▽個人情報をしっかり管理する体制が整っているか▽結果がきちんと届くか▽陽性と診断された場合、きちんとフォローアップする体制がつくられているか――などを挙げ、こうした要素がホームページにしっかり記載されていなかったり、電話で確認した際にきちんと答えられなかったりするような検査センターであれば「正直心配です」と注意を促した。
(2)油断せず
(2)については、どんなに高度な検査をしてもPCR検査では一定の割合で「偽陰性」や「偽陽性」が出るため「陰性と診断が出ても100%感染してないと保証できない」。そのため陰性と診断されたからといって、安心して飲み会などに参加してしまうと「もしかして(本当は)感染していて偽陰性だったとすると、周りの人に感染を拡大させてしまう恐れがある」と懸念を示した。陰性と診断されても油断せず「3密」回避やマスク着用、手洗い、消毒といった感染防止対策を徹底する必要があるとし、もし偽陰性が心配であれば近くの医療機関を受診することを勧めた。 (※)「偽陰性」と「偽陽性」…本当は感染しているのに陰性と出るのが「偽陰性」、本当は感染していないのに陽性に出るのが「偽陽性」。