東京で減らない人流、会食で感染拡大……尾身会長が示した「勝負の3週間」後の課題
新型コロナウイルスの感染が全国に広がる中、年末年始に向けてどんな感染対策に気をつけて生活すればいいのか。政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長(地域医療機能推進機構理事長)は21日、臨時の記者会見を開き、「勝負の3週間」を終えた感染状況について専門家としての判断を明らかにした。感染拡大を食い止めるために注意すべき3つの課題も提示した。 【Q&A】「年末年始を静かに過ごす」ため、コロナ分科会が呼び掛けた“工夫の仕方”とは?
(1)首都圏から感染が染み出す
「東京の場合は11月28日に営業時間の短縮要請をした。ところが他の2つの地域(北海道と大阪)に比べて人流がなかなか下がらない。そういう中で感染が少しずつ増えている」 政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長(地域医療機能推進機構理事長)は東京の感染状況について危機感を示した。 尾身氏が示した同様のデータでは、対象的に北海道は11月7日の時短要請を機に人流が徐々に減っていき、それに呼応するように感染者も減っていく様子が見て取れる。 「北海道は少しずつ感染が下火になっている。東京は一時下火の方向になったが、ここへ来て明らかに少しずつ増加している。東京は感染が高止まりと言うよりもむしろ少しずつ増えているんじゃないかというのが我々の判断」 「勝負の3週間」を終えた感染状況について、尾身会長は個人的見解だと前置きした上で、北海道をステージ3の「シナリオ1(感染減少地域)」、大阪を「シナリオ2(感染高止まり地域)」、そして東京を「シナリオ3(感染拡大継続地域)」に分類した。 さらにこうした感染状況を踏まえ、今後注意が必要な課題として3つ挙げた。 1つ目が「首都圏からの感染の染み出し」だ。10月19日~25日の週から11月30日~12月6日の週にかけて、東京から首都圏の周辺県に感染が広がり、埼玉、千葉、神奈川県だけではなく茨城、群馬県にも広がっていった。尾身会長は「首都圏を沈静化させないと全国の感染を沈静化できない。地方でも歓楽街でクラスターがまた多くなっている。地域内で感染拡大の主要な原因になっている」と警鐘を鳴らした。