通天閣が名物看板をデジタル化する理由とは
南側の看板をデジタルサイネージに変更
国の登録有形文化財で大阪を代表する観光スポットとして知られる「通天閣」と広告スポンサーと務める日立製作所はこのほど、通天閣南側の看板をデジタルサイネージ(電子看板)に変更すると発表した。看板の文字をスクロール表示するそうだが、なぜこのような大刷新を行うのかを関係者に聞いた。 【動画】通天閣社長「コロナ禍で経営はしんどいけど攻めの一手でタワースライダーを作りました」
工事期間は13か月間
通天閣は昨年8月1日から広告ネオンサインなどのリニューアル工事を開始。期間は13か月間とかなり大規模なものとなっている。 通天閣を運営する通天閣観光の高井隆光社長によると、現在の2代目通天閣は1957年に建てられ、翌年から日立製作所が広告ネオンサインを掲載。以来、平均して5年から6年ごとにデザインをリニューアルし、今回で改修工事は14回目になる。 通常なら改修工事は約半年程度だが、今回は外装の全面塗装も合わせて行うため時間を要しているという。
高さ約32メートル、横3メートルのLEDサイネージビジョンを設置
今回発表となった屋外広告のリニューアルは、省エネ・長寿命により環境負荷が低いLEDを全面採用し、日本国内や海外からの観光客などが多く歩いている南側の広告面には、高さ約32メートル、横3メートルのLEDサイネージビジョンを設置。同ビジョンは文字をスクロール表示できるため、文字数制限のない発信が可能となる。 サイネージビジョンは初めての設置。さらに、タワー上部の東側(天王寺動物園側)にあった「大時計」も南側に動かし、昨年まで43年間タワー頭頂部で点灯していた「光の天気予報」を終了し、タワー全体に調和したトップライトにすると発表した。
地域の「情報塔」としてメッセージ伝えたい
これまでにない大刷新を行う通天閣だが、これまで名物だった大時計までも動かす理由はなんなのか。 高井社長にその理由を聞くと「文字数の制限がなく、大阪に来られるインバウンドのみなさまに向けても、多言語での表示も可能になるため、屋外広告での役割に限らず、日立製作所と協力しながら、地域の『情報塔』として大阪新世界から全世界へメッセージをお伝えできれば」という答えが返ってきた。 高井社長によると、通天閣は公道上の建築物のため、動きの激しいアニメーションなどの表示は制限されるが、文字数の制限はないため、この形を決めたという。