通天閣・全長60メートルの滑り台が完成 社長「攻めの一手で関西を盛り上げたい」
5月9日から運用を開始「タワースライダー」
通天閣3階から地下まで10秒で降りてしまう滑り台「タワースライダー」を体験
国の登録有形文化財で大阪を代表する観光スポットとして知られる「通天閣」(大阪市浪速区)を運営する通天閣観光が昨年12月から行っていた全長60メートルの滑り台の体験型アトラクション「TOWER SLIDER(タワースライダー)」の工事がこのほど完成。16日には関係者向けの試験走行会が行われた。タワースライダーは5月9日から運用開始の予定。 【動画】通天閣社長「経営はしんどいけど攻めの一手で」と意気込み
地上約25メートルの通天閣3階から地下へ10秒で滑り降りる
通天閣観光によると、このタワースライダーは、地上約22メートルの通天閣3階にある中間展望台から、エレベーター塔の周回を1回転半して、地下1階の帰り口までスパイラル状に約10秒で滑り降りる全長60メートルの滑り台。乗り口は支柱を上下に配する事で地震などの災害時でも安全に利用できる構造で、免震型の滑り台となっている。 スロープ部分は飛び出す危険の無いチューブ形状で、素材は耐候性に優れたステンレス製チューブの天井、透明の遮熱ポリカーボネート板を使っており滑り始めは外の景色も眺めることができる。
施工会社「作業は大変だったが、完成後の反響の大きさに驚き」
今回の設計・施工(統括)は竹中工務店(本社:大阪市中央区)。スライダー本体の設計・施工は、公園遊具を中心に景観施設・休養施設などの製作から販売などを行っているタンデム(本社:東大阪市)が担当した。 「最初は竹中工務店さんから『変ったスライダーを作る会社がないか』という問い合わせがあり『うちでできます』と返事しました」と語るのは、タンデムの今西浩司専務。 通常のスライダーより長いため、最初は不安もあったというが「いつもステンレス加工や鉄の加工をやっていますので技術に関しては不安はなかったです」と、仕事を受けた当時のことを振り返った。 通天閣は1956年に完成。古い建物で細かい図面がなかったため、施工してからもう一度実測して合わすなどの作業は大変だったと話すが、様々な考慮を重ねて無事完成に至り「反響の大きさに驚いています」と笑顔で話していた。