通天閣「光の天気予報」終了へ 8月から1年余りネオンを消灯して行う工事の中身とは?
43年親しまれた光の天気予報は31日の点灯をもって終了
通天閣「光の天気予報」終了へ 8月から1年余りネオンを消灯して行う工事の中身とは?
国の登録有形文化財で大阪を代表する観光スポットの通天閣(大阪市浪速区)はこのほど、8月1日から13か月間にわたってリニューアル工事のためライトアップを行わないことを発表した。30日夜、通天閣を運営する通天閣観光の高井隆光社長に工事の詳細を聞くと、1979年から通天閣のてっぺんでネオンの色を組み合わせて翌日の天気を市民に知らせてきた「光の天気予報」については、31日夜の点灯をもって終了することが分かった。高井社長に光の天気予報を終了する理由、そして、ネオンを消灯し13か月にわたって行う工事の中身について聞いてみた。 【拡大写真】日本気象協会関西支社にある通天閣の「光の天気予報」を操作する専用端末
光の天気予報は1979年4月28日点灯開始
通天閣観光によると、光の天気予報は1979年4月28日に点灯を開始した。 日本気象協会関西支社にある専用の点灯装置と専用回線でつながっており、同協会の職員が点灯を担当してきた。 以前、筆者が同協会で取材をした際には、職員が「晴れ」「雨」といったボタンを押して光の天気予報を点灯させた後、双眼鏡で通天閣方面をのぞき、ネオンの点灯状況を確認していたのが印象的だった。
めったに出ない雪予報が出た時は?
光の天気予報の色は、晴れは「白」、曇りは「オレンジ」、雨は「青」、雪は「ピンク」といった色で分けられている。 例えば晴れ時々曇りの予報の場合は、上半分が白、下半分がオレンジに点灯する。 1年にあるかないかの雪予報が出た際は、テレビニュースの天気予報コーナーで取り上げられたり、SNSなどで「きょうは珍しいピンク色だ」といった投稿も多くみられた。
光の天気予報終了の理由は「どこか仕分けをしないといけない」
そんな名物である光の天気予報を、なぜ終了させるのだろうか。 高井社長は「今回の全体のネオンなどのリニューアル工事には色々とお金もかかりますので、どこかで仕分けをしないといけないんです」と答えた。
社長「時代の流れに合わせて役目を終えます」
通天閣がある新世界で生まれ育った高井社長にとっても、この光の天気予報は親しみのあるネオンだという。 「私も小さい時には通天閣の光の天気予報を見ながら、遠足の前日にてるてる坊主をつっていた想い出がいっぱいです。スマホがない時代から長年にわたり、通天閣のてっぺんのネオンで明日の天気がわかると周辺住人に愛されてきた通天閣名物ですので」と寂しそうに語る高井社長。 しかし「時代の流れに合わせて役目を終えます。スマホなどで情報が手軽に手に入れられる時代になったものの、いざ、なくなると思うと本当に寂しい気持ちでいっぱいなんです。苦渋の決断でもあります」と本音をもらすが、リニューアル後に注目してもらえるよう、現在、様々な「仕掛け」を検討していくとも話していた。