GMOサイバーセキュリティ byイエラエ 福森大喜の「リトル福森」との出会い
フォレンジック調査技術を習得させることはもちろんだが、各国のサイバー捜査官たちが技術習得によって、それまで失っていた自信を獲得し尊厳を取り戻していったであろう過程こそが素晴らしい。聞いていて少し泣けてきた。このエピソードはいつか追加取材で深掘りして、6,000 文字ぐらいの原稿にまとめてみたいと考える所存である。
● キャリアを一気通貫するもの
キャリアを通じて一貫している福森の行動原理は「どうすれば本質的な解決に繋がるか」である。どうすればサイバー攻撃によって損害を受ける国家や企業、個人をなくすことができるのか。
共同創業者として立ち上げた SST が軌道に乗ったとき福森は「ここにい続けても Web アプリの課題しか解決できない」と考え、それが CDI に転じるきっかけとなった。そして、CDI で様々なインシデントや事案に対応した福森はやがて、犯人の IP アドレスまでしっかりわかっているのに海外にサーバーがあるという理由で 1 ミリも動くことができない日本の警察に対する苛立ちを持ち、それはやがて世界の警察が集合した インターポールのキャリアへと繋がった。
2023 年 12 月、福森はたまたま GMOサイバーセキュリティ byイエラエ代表の牧田 誠が講演する動画に釘付けになった。牧田が語った趣旨は以下の通り。
「GMO は日本の 8 割のドメインと日本の 6 割のウェブサイトやサーバを持っている。GMO の顧客を守ることがすなわち日本のインターネットを平和にするための最短経路と信じて、我々はこの仕事に取り組んでいる」
なるほど。その手があった。深く腑に落ちた福森は、以前ラスベガスで会ったことのある牧田の名刺を探してすぐにメールを送ったが「アドレスが存在しない」というエラーで戻ってきたという。牧田がまだサイバーエージェントにいたときの名刺だったというからあたりまえである。