次世代iPhone SEの登場は来年3月? Apple Intelligenceに対応か
アップルの次期iPhoneは、2025年3月に発売される予定という。今年12月に生産が開始されるとの報道もあり、アップルのコミュニティは新しいiPhone SEの登場を心待ちにしている。 ■iPhone SEの再発明 次世代のiPhone SEは、2016年の初登場以来、四世代目となる。2020年と2022年にはハードウェアの更新が行われた。SEは事実上、アップル唯一のミッドレンジスマートフォンであり、メインラインのiPhoneよりも手頃な価格でアップルのエコシステムに参加できる手段だ。アップルがプレミアムな端末に注力し続ける中、SEは予算を重視する消費者にとって重要な選択肢となっている。 2025年のiPhone SEに関する詳細は、著名なアップルアナリストであるミンチー・クオからの情報だ。クオはMedium.comで「iPhone SE 4の量産は2024年12月に開始され、2024年12月から2025年第1四半期にかけて約860万台の生産が見込まれる」と述べている。 iPhone SEは、グーグルのPixel 8aやサムスンのGalaxy S24 Fan Editionと比較されることになるだろう。これらのモデルも同様にミッドレンジ市場を狙っており、いずれもより高価なハイエンド端末から派生したものだ。 ■iPhone SEのライバル グーグルは2024年5月にPixel 8aを発売した。Pixelシリーズは現在9世代目となっており、グーグルは毎年5月に開催する開発者向けのイベント、Google I/OでPixel 9aを発表すると予想されている。このため、iPhone SEはPixel 8aに対しては優位な立場にあるが、直後に登場するPixel 9aとの競争が厳しいものになることが予想される。
SEがなければ、アップルは「初めてのスマートフォン」市場の大半を競合に譲らざるを得なくなる
サムスンのGalaxy S24 FEもまた製品サイクルの終盤にある。2024年1月にコアモデルであるGalaxy S24、S24+、S24 Ultraに続いて年次製品サイクルの終盤に登場したFEは、iPhone SEの登場時には6カ月古い製品となる。また、2025年1月にはサムスンのマーケティングがS25ブランドへ移行する見込みであるため、S24 FEは実際よりも古く見えるという不利な位置付けに置かれることになる。 ■アップルの生成AI戦略とiPhone SE アップルは一般的にiPhone SEを、メインラインのiPhoneとほぼ同等の性能を持つモデルとして位置づけている。次期モデルでもこのポジションに変わりはないだろう。ティム・クックたちは、同社の生成AI市場への参入を推進しており、iPhone SEは手頃なAIオプションであると同時に、「ゼロから設計された」アップルデバイスとして、生成AI「Apple Intelligence」をサポートするものとして売り出されることになる。 この価格帯ではAndroidベースの競合他社もAIに多大な投資をしており、前述のグーグルやサムスンの端末には第2世代のAIソフトウェアが搭載されている。したがって、アップルにとって、この混み合った市場セクターでAIの存在感を確立することが非常に重要となる。 ■iPhone SEの意義 iPhone SEは単なるiPhoneではない。それはアップルのエコシステムの範囲を広げる重要なデバイスである。アップルがプレミアムレベルのハードウェアのオーラを保ちながら、中価格帯市場に進出するためのモデルだ。SEがなければ、アップルは最新技術を活用して市場に参入することが難しくなる。SEがなければ、アップルは成熟を続ける生成AI分野に対する初期の取り組みを続けることができない。そしてSEがなければ、アップルは「初めてのスマートフォン」市場の大半を競合に譲らざるを得なくなるだろう。 生産開始が待ち遠しい。
Ewan Spence