東京五輪で金メダルを狙う男子400mリレーに桐生とサニブラウンは必要か…最強布陣を探る
東京五輪の男子短距離代表合宿がスタートした。男子200m代表内定のサニブラウン・アブデル・ハキーム(タンブル・ウィードTC)を除く、計14人が参加。9日に公開練習とオンライン会見が行われた。 短距離代表合宿の最大の目的はリレーメンバーのバトン練習と走順を固めることにある。しかし、今回はあえてバトン練習をする前に公開練習に踏み切った部分もあるという。男子4×100mリレーの具体的なオーダーについては「内緒です」と笑った日本陸連の土江寛裕五輪強化コーチが面白いことを言っていた。 「メディアの皆さんがオーダーを想定して記事にしていただけるのは注目されているという意味でうれしいです。野球ファンが理想の打順を話すように、いろんな方に4継メンバーの話題で盛り上がってもらいたいですね。オーダーに関してはこれがベストじゃないかという記事を書いていただければなと勝手に思っています」 そういうことならば、各選手の状況などを踏まえて、金メダルを目指す男子4×100mリレーのベストオーダーを探っていきたい。 基本的には適材適所を考えながら、「速い順」のオーダーがいいだろう。なぜなら走力では今季100mでトレイボン・ブロメルが9秒77、他5人が9秒8台をマークしている米国が圧倒的に優勢だからだ。 対する日本は山縣亮太(セイコー)の9秒95、多田修平(住友電工)の10秒01、桐生祥秀(日本生命)の10秒12、小池祐貴(住友電工)の10秒13が今季のトップ4となる。スプリント力では劣るだけに、アンカーで大逆転という発想は難しい。米国に勝つには、過去最速のスピードと巧みなバトンパスで少しでも優位にレースを進めて、相手のミスを誘う戦略しかないだろう。 そうなると1走は今季絶好調の多田で決まりだ。ロンドン世界選手権とドーハ世界選手権では1走を担当。今回も1走を志願している。「2度の世界選手権はバトン渡しの減速が気になっていたんですけど、今季は終盤も走れています。トップスピードを維持したままバトンを渡せることを意識してやっていきたいです」と多田。日本選手権王者のロケットスタートを期待したい。