東京五輪で金メダルを狙う男子400mリレーに桐生とサニブラウンは必要か…最強布陣を探る
2走はエースを持ってくるしかない。日本記録保持者で日本選手団主将を務める山縣がいいだろう。ナショナルチームでは主に1走を、慶大では4走が定位置だったが、本人は「どの走順もだいたい経験しているので、どこでもいいです」と頼もしい。まずは男子100mでファイナル進出を決めて、チームに勢いをつけてもらいたいところだ。 3走は個人的に桐生を推したい。今回は100mが補欠という立場で、リレー要員での代表選出となる。今季は5月下旬から右アキレス腱の痛みに悩まされてきた。その影響もあり、日本選手権100mは5位に沈んだが、右アキレス腱は検査で「損傷なし」と診断されている。 「もう痛みはありませんし、走力は100%に仕上げる自信があります。個人的には3走か4走だと思っています。3走は世界大会で走っていますし、4走は高校、大学などで走っているので、どちらを任されても自信満々でいきたい」 桐生が3走を務めた世界大会はリオ五輪で銀、ロンドン世界選手権とドーハ世界選手権は銅メダルを獲得。その走りは世界トップといえるほどだった。まだ手にしていない金メダルに向けては、「少しでも崩れると米国には勝てません。でも最高のパフォーマンスができれば金を取れると思う」と桐生。 9秒台のリレー要員でトップを奪うことができれば、夢に届くかもしれない。 4走の第一候補は小池になるだろう。100mとしては後半型で、9秒98の自己ベストタイムを持つ。将来的には200mで世界と戦うことを考えている小池にとっては4×100mリレーは存分に持ち味を発揮できる場所になる。予選で1走を務めたドーハ世界選手権は調子が上がらず、決勝の出番はなかっただけに、東京五輪に懸ける思いは強い。器用なタイプで何走でもそつなくこなすことができるために、バトンパスが噛み合わない場合は2走の山縣、3走の桐生と走順を入れ替えることも可能だ。 なお小池は200mでも代表内定を得られる立場にいたが、日本陸連の「リレーに出場する選手は(個人は)1種目に絞る」という方針を受け入れ、今回は100mを選択した。だからといってリレー出場の優先権があるわけではない。