リレー要員で桐生祥秀とデーデー・ブルーノが東京五輪代表入り…金メダル狙う4×100mリレー最強メンバーはどうなる?
日本陸連は2日、世界陸連のワールドランキングにより東京五輪参加資格を得た選手を含めた第2次代表内定選手を発表。注目を浴びていた男子のショートスプリントは、以下のメンバーとなった。 【男子100m】 多田修平(住友電工) 山縣亮太(セイコー) 小池祐貴(住友電工) 【男子200m】 サニブラウン・アブデル・ハキーム(タンブルウィードTC) 山下潤(ANA) 飯塚翔太(ミズノ) 【男子4×100mリレー】 桐生祥秀(日本生命) デーデー・ブルーノ(東海大) 今回、代表選考のカギを握っていたのが、日本選手権の男子100mで4位に入り、同200mを制した小池祐貴(住友電工)だ。両種目で内定を得られる立場にあったが、日本陸連は4×100mリレーで金メダルを狙う戦略として「2種目登録は原則しない」という方針を示していたため、200mを辞退。100mに専念することになった。 その結果、男子100mは多田修平(住友電工)、山縣亮太(セイコー)、小池の3人が代表に選ばれ、同200mは参加標準記録突破済みのサニブラウン・アブデル・ハキーム(タンブルウィードTC)、ワールドランキングで出場資格を得た山下潤(ANA)と飯塚翔太(ミズノ)が代表に決まった。 そして男子4×100mリレーのメンバーは日本選手権100m5位の桐生祥秀(日本生命)と、同大会の100mと200mで2位と大躍進したデーデー・ブルーノ(東海大)が選ばれた。なお桐生は100mの補欠にも登録される。個人種目と4×100mリレーの兼ね合いについて、山崎一彦トラック&フィールドディレクターは以下のように説明した。
リレー専念の金メダル獲得戦略
「男子4×100mリレーは前回のリオ五輪で銀メダルを獲得した後、自国開催となる東京五輪の金メダルを目指してやってきました。その過程で、100mでは9秒台が4人、200mでも世界で通用する選手が出てきました。しかし、個人2種目をこなしながら、4×100mリレーで金メダルを目指すのはかなり厳しい。よく検討した結果、個人は1種目に絞り、リレーに専念してもらうという戦略を立てました。個々の思いはあるかもしれませんが、日本チームの戦略を重要視していただきたいと一昨年から選手たちには話しています。小池選手は100mと200mで出場資格を得ましたが、『100mに専念したい』という申し出があり、その通りの選考となりました」 4×100mリレー代表枠は16年リオ大会から1枠減って最大5枠。そのなかには100m代表が含まれるため、残る2枠(リレー専門枠)に桐生とデーデーが入ったかたちだ。プラスして世界陸連のルールでは、すべての種目の選手がリレーを走ることができる。実際の戦略としては、4×100mリレーのメンバー(5人)に200m代表(3人)を加えた8人の中から出走メンバーを選ぶことになる。 リレーの出場メンバーについては、「これから合宿を重ねてメンバーや走順を決めていく」(山崎ディレクター)ことになるが、どんなオーダーが有力なのか。まずは直近5年における国際大会のオーダーと結果を振り返ってみたい。 【16年リオ五輪】 2位 37秒60(山縣、飯塚、桐生、ケンブリッジ) 【17年ロンドン世界選手権】 3位 38秒04(多田、飯塚、桐生、藤光) 【18年アジア大会】 1位 38秒16(山縣、多田、桐生、ケンブリッジ) 【19年ドーハ世界選手権】 3位 37秒43(多田、白石、桐生、サニブラウン) 唯一、4大会すべてに出場しているのが桐生だ。いずれも3走を務めており、その走りは“世界トップ”ともいえるほど。桐生本人もSNSで「リレーの経験は誰にも負けない自信があります」と書き込んでいる。桐生が万全なら3走に配置することでアドバンテージを得ることができるだろう。