なぜケンブリッジ飛鳥は敗退したのか…好調は山縣、多田の2人…今日の決勝で“激戦”男子100m代表3枠を奪うのは誰だ?
東京五輪の代表選考会を兼ねた陸上の日本選手権が24日、大阪のヤンマースタジアム長居で開幕、注目の男子100mの予選、準決勝が行われ波乱が起きた。東京五輪の各国代表は最大3枠。男子100mは“6強”の争いが予想されていた。予選は6人が別々の組になり、それぞれがトップ通過を果たした。しかし、3組2着+2の準決勝で“6強”の一角が崩れた。
サニブラウンも足がつるアクシデント
新旧日本記録保持者対決となった1組は、現日本記録保持者の山縣亮太(セイコー)が10秒16(±0)で1着を奪うも、前日本記録保持者のサニブラウン・アブデル・ハキーム(タンブルウィードTC)は10秒30の3着。サニブラウンに並ぶ高校歴代2位タイの10秒22をマークした柳田大輝(東農大二高)に先着された。 2組は多田修平(住友電工)が10秒17(-0.4)で悠々のトップ通過を決める。6強のうち3人が入った3組は桐生祥秀(日本生命)が10秒28(-0.9)で1着、小池祐貴(住友電工)が10秒30で2着。ケンブリッジ飛鳥(Nike)は10秒44の5着に沈み、決勝を前にこの種目での五輪代表争いから脱落したのだ。 ケンブリッジは5年前の日本選手権を制して、リオ五輪では銀メダルを獲得した男子4×100mリレーでアンカーを務めた。その後は伸び悩んだ時期もあったが、昨季は好調で、8月のナイトゲームズ・イン福井で自己ベストの10秒03をマーク。有効期間外ながら東京五輪参加標準記録(10秒05)を上回った。しかし、今季は左ハムストリングスを痛めた影響もあり、調子が上がっていなかった。 「最初はハムストリングスの痛みがあったりして、練習も抑えつつやり、痛みは取れてきたんですけど、ストレッチでハムストリングスが伸びなかったり、うまく力が入らない状態が続いていました。そのなかでやれることはやってきたんですけど、(トレーニングが)足りなかったという感じですかね。難しいシーズンになってしまって、残念な気持ちでいっぱいです。日本選手権は予選、準決勝ともいいところがなく終わってしまった……。悔しいです」 昨年の調子なら、ケンブリッジは間違いなく決勝に進出して、代表争いに絡んでいたはず。東京五輪の1年延期が彼の競技人生を狂わせてしまったのかもしれない。 サニブラウンは着順で進めなかったものの、プラス(タイム順)で拾われ、6強のうち5人が決勝に進出した。5人全員が五輪参加標準記録をクリアしているだけに、日本選手権の決勝が東京五輪の“一発選考会”というかたちになる。どんな結末が待っているのか。