金融緩和策の一部修正は「金融引き締めではない」日銀・黒田総裁会見12月20日(全文3完)
市場に深く関与する政策手段から脱却する考えはないのか
記者:すいません、ニッキンの【タダ 01:00:14】と申します。日銀の金融政策に対する姿勢と手段について伺います。今の経済環境ですとか物価情勢を踏まえると緩和姿勢を継続するというのは理解できる部分も一応あるのかもしれませんけれども、一方でこのイールドカーブ・コントロールという金利上昇を人為的に抑え込む手段ですとか、公表文に示されてるとおりですとか、今まで総裁もおっしゃってるとおりですけれども、市場機能を大きく低下させたり、あとベンチマーク機能みたいなところは結構壊れかけてる、に近い状態にもあると思うんですけれども、今回、市場機能の改善を図る措置を講じられましたが、そもそも今のYCCが、局面によって、こういう対応を導入せざるを得なくなるっていうことは事前に想定できなかったのか。あと、今回の措置で一層深まったのかもしれませんけれども、今のような市場に深く関与する政策手段から脱却しようというお考えは今のところないのか伺えればと思います。 黒田:イールドカーブ・コントロールも、量的・質的金融緩和も、当面の操作目標が違うだけで、実際のところはご承知のように長期金利を低位に持っていくということのためにやってますので、その限りでマーケットの人と、考えてる金利とは違ってくるのは、量的・質的金融緩和であれ、外国の量的緩和であれ、イールドカーブ・コントロール、みんな同じなんですね。別にこのイールドカーブ・コントロールが特に大きく市場機能を阻害するっていうものではないと思います。 ただ、先ほど来申し上げてるように、春先からの、ある意味で異常な金融資本市場のボラティリティの上昇が、わが国の国債市場にも影響を与え、それがいったん収まったかに見えたのに、また最近になって非常に強固な形でイールドカーブに影響を与え、それが先ほど来申し上げてるような市場機能の低下ということをもたらしているために、これを是正しようということであります。はい、どうぞ。