2%の物価安定目標目指し「量的・質的金融緩和を継続」日銀・黒田総裁会見10月28日(全文)※冒頭発言のみ
日銀の黒田東彦総裁は金融政策決定会合後の28日午後、記者会見を行った。 ※黒田総裁の冒頭発言のみ書き起こしています。 【動画】大規模金融緩和策の継続を決定 黒田日銀総裁が会見(2022年10月28日) ◇ ◇
指し値オペの運用も含め現状維持
日本経済新聞:幹事社の日本経済新聞社の小野沢です。本日の会見は45分を予定しています。総裁の次のご予定もございますので、会見は最長でも1時間で終了させていただければと思います。できる限り多くの方々に質問していただくため、質問の数は絞り、内容もできる限り簡潔にお願いいたします。では本日の金融政策決定会合の決定内容についてご説明をお願いします。 黒田:本日の決定会合では長短金利操作、いわゆるイールドカーブ・コントロールの下での金融市場調節方針について、指し値オペの運用も含め現状維持とすることを全員一致で決定しました。資産買い入れ方針に関しても現状維持とすることを全員一致で決定しました。本日は展望レポートを決定・公表しましたので、これに沿って経済・物価の現状と先行きについての見方を説明いたします。 わが国の景気の現状については資源高の影響などを受けつつも、新型コロナウイルス感染症抑制と経済活動の両立が進む下で持ち直していると判断しました。やや詳しく申し上げますと海外経済は総じて見れば緩やかに回復していますが、先進国を中心に減速の動きが見られます。輸出や鉱工業生産は供給制約の影響が和らぐ下で、基調として増加しています。企業収益は全体として高水準で推移しており、業況感は横ばいとなっています。こうした下で設備投資は一部業種に弱さが見られるものの持ち直しています。雇用・所得環境は全体として緩やかに改善しています。個人消費は感染症の影響を受けつつも緩やかに増加しています。金融環境は企業の資金繰りの一部に厳しさが残っているものの、全体として緩和した状態にあります。 わが国経済の先行きですが、見通し期間の中盤にかけては、資源高や海外経済減速による下押し圧力を受けるものの、感染症や供給制約の影響が和らぐ下で回復していくとみています。その後は所得から支出への前向きの循環メカニズムが徐々に強まる下で、潜在成長率を上回る成長を続けると考えています。