金融緩和策の一部修正は「金融引き締めではない」日銀・黒田総裁会見12月20日(全文3完)
国債ファイナンスに深入りした日銀に出口はあるか
記者:朝日新聞の原です。よろしくお願いします。日銀の国債保有比率が50%を超えました。以前、総裁は記者会見で、仮にこの国債保有比率が6割、7割になったとしても財政ファイナンスではないというふうにお答えになりましたが、今もそのお考えは変わらないでしょうか。ここまで深入りしてしまった、国債ファイナンスに深入りしてしまった日銀に出口はあるんでしょうか。 黒田:まったく財政ファイナンスでありませんし、出口については今、議論するのは時期尚早ですけども、問題はまったくないと思います。
YCCには副作用も指摘されているが
記者:日経新聞の清水です。よろしくお願いいたします。今回のYCCの運用方法見直しの狙いは、声明文を見る限り、市場機能の改善っていう、もっぱらそういう狙いが書かれていますが、YCCにはその他の副作用も指摘されております。財政規律の低下、金融機関収益への悪影響、資産運用への負の作用、あるいは為替相場の変動増幅。そういった市場機能それ以外の副作用についても、なんらかの改善を意図したものなのか、あるいは、そうではないのか。もしそれ以外に意図したものがあるとしたら、いったいどういう要素もあったのか、その辺りをお聞かせください。 黒田:財政ファイナンスではありませんので、私どもの金融が何か財政政策ゆがめてるというようなことは考えておりません。財政政策はあくまでも政府、国会がお決めになることであるというふうに考えております。為替、その他への影響っていうのはありうるかもしれませんが、そういうことではなくて、あくまでも国債、社債等の債券市場の機能度、これがいろいろなアンケート調査でも相当低下してるっていうデータが出ておりますし、われわれの店頭でもこの国債のイールドカーブのゆがみというものがさまざまな影響を与えてると。先ほど来申し上げたように長短国債金利のバランスであるとか、あるいは先物と現物の乖離であるとか、いろんな問題が出てますので、それを改善する。それによって企業金融に、スムーズにイールドカーブの低位に安定させてる効果が波及していくということを狙ったものであるということであります。 記者:会見終了時間まで残り5分ほどとなりました。質問はあと2人までとさせていただければと思います。