【独占】堀口恭司が語る衝撃の朝倉海168秒TKO劇の真実「試合後の控室で海君は僕に言った…」
――どう返答したのですか? 「機会があればと」 ――3度目の対戦要求を受けますか? 「やる意味がない。違いますか?なんのメリットもない。もういいでしょう」 ――大会総括で榊原信行CEOは「1勝1敗で3度目の対決に流れができた」とコメントしていました。プロモーターとしては、3度目の決着カードをマッチメイクしたいでしょう。 「やってもいいですが、ベラトールのベルトを取り返すことも含めて、先にやることがあるので、後々でいいんじゃないですか。それに3度目をやったら力の差がさらに出ると思いますよ。僕としてはもっと万全な状態を作れるわけですからね」 ――逆に朝倉海に時間を与えれば対策を練り進化してくるのでは? 「それでも無理だと思います。海君には打撃のカウンターしかない。でも、再戦と言ってくるのが、ある意味凄い。(実力差が)わかっていないんだなあ、と思いました」 控室には兄の朝倉未来もいた。 声をかけると朝倉未来は、「はい、どうも」と返してきたというが、その態度に違和感を覚えた。「彼は僕より年下。あの態度のでかさは、どうなの?って思いました(笑)」と言う。 ――体重は違うが朝倉未来が「弟の借りを返す。契約体重でやろう!」と言ってくれば? 「やらないっす(笑)。それこそメリットが何もありません。ハッキリ言って弱いし、やる意味がないですよ」 ――狙いは堀口さんが返上したベラトールのバンタム級王者、ファン・アーチュレッタ(33、米国)になりますね。 「そうですね。借りを返したいし彼を倒せば次の道も開けてきます」 アーチュレッタはすでに3.14東京ドーム決戦のポスターのようなものを作ってSNSにアップしている。 だが、堀口は意外な反応を見せた。 「3.14?やんないですよ。明確に否定したいです」 東京ドーム参戦プランに「ノー」と言うのだ。 「病み上がりの一戦でした。ダメージはまったくない試合でしたが、選手生命を考えて足も含めて体をケアしたいんです。年齢も年齢。今急ぐメリットはありません。アーチュレッタには、全然、勝てると思いますが、しっかりと対策を立てないとね。甘くはありません」 堀口は今月末に渡米予定だが、3月14日の東京ドームのリングに上がるには、帰国時にはまた2週間の隔離期間が必要で2月末には再帰国しなければならない。アーチュレッタを分析して戦術、対策を練り、それを練習に落とし込むにはあまりに時間がない。さらに参戦に難色を示す、もうひとつの理由に米国でのグリーンカード(永住権)の申請がある。 昨夏に米国フロリダに豪邸を買った堀口は、引退後も米国でATTのコーチとして後進の育成に取り組むという「第2の人生プラン」を立てており、そのためにもグリーンカードが必要で、取得するには、申請後、半年は米国を動けないという。 ――堀口無しでは東京ドーム興行は成り立たないのでは? 「天心も武尊も、威勢のいい朝倉未来もいるじゃないですか?」 最強のファイターは、そう悪戯っぽく笑ったのである。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)