【独占】堀口恭司が語る衝撃の朝倉海168秒TKO劇の真実「試合後の控室で海君は僕に言った…」
朝倉海も右足でカーフキックを繰り出してきた。”カーフ返し”である。 だが、堀口は左足を浮かせて、これをカットした。 「足を上げて少し開き、ふくらはぎではなく、そのキックを脛の骨で受けるんです。これをやるとダメージはありません」 カーフをまともに受けた朝倉海と、それを技術で防いだ堀口。ここに両者の培われてきたテクニックの差が如実に表れている。 ――なぜカーフキックを作戦の軸にしたのですか? 「過去の映像を見るとローキックへの反応が遅かったんです。しかも、足(のスタンス)が開いている。あの姿勢だと反応しづらいんです。実際、向き合ったときも彼の足は広かった。僕のタックルを警戒して広かったんだと思います。今回は寝技に来ると思っていたのではないですか。そして一発目にカーフを蹴ったときにも反応が遅かった。ならば無理にタックルにいかないでカーフでいこうと。簡単に勝てる方法がいい。できるだけリスクは減らしておきたいですからね」 ――カーフキックの極意はあるのですか? 「カーフには、いろいろな蹴り方ありますが、足首を立てておいて蹴るようなこともしませんし、僕のは普通の蹴り方です。膝から下、足首の上あたりのどこでも入れば決まります。ピンポイントで狙うわけでなく、そのどこかに当たればいいんです」 ――でも堀口さんのカーフは特殊ですね。 「根底に空手があるので、少し特殊であることは確かです。普通のカーフは、その場で軸足で踏ん張って蹴るのですが、僕のは、ちょっと遠い距離からステップインしながら入るんです。その踏み込みが特徴でパンチを打つのと同じ入りなんですよね。だから、海君は、パンチが来るんだと思って、そこにパンチを合わせようとしていました。広いスタンスで踏ん張って打とうとね。そこにバチンと蹴るので、なおさら効いたのです」 カーフキックで突破口を開くのがAプラン。 実はBプランも用意していた。 「コーナーに詰めたりして、テイクダウンを取って、そこから寝技でバンバン削る。寝技と打撃で、どんどん組み立てていこうというプランでした」 だが、Bプランに入るまでもなく決着がつくことになる。