球界大御所が中日・根尾の投手転向問題を一刀両断…「中日は何をやっているのか。立浪監督は勇気ある決断。重要なのはどう育てるか」
中日の根尾昂(22)が今日17日のリーグ戦再開初戦となる巨人から投手としての第1歩を踏み出すことになった。今季は外野手から始まり、途中、ショートに再転向、そして2試合の中継ぎ登板を経て、立浪和義監督(52)は、投手に本格転向させることを本人との話し合いを重ねた上で決断した。将来的には先発を目指すが、二刀流としての可能性を若干は残したままの異例の投手転向。賛否両論が飛び交っているが、球界大御所の巨人OBで、元西武、ヤクルト監督の広岡達朗氏は、意外な意見を述べた。
「投手の方が能力が生きる」と異例決断
交流戦が終わった後の中断期間の話題を独占したのが、根尾の投手転向だった。中日スポーツなどの各紙の報道によると、立浪監督が根尾本人との話し合いを重ね、希望を尊重した上で「投手の方が能力が生きる」と、野手から投手への異例の転向を決断した。 12日の日ハム戦前に立浪監督は、リーグ戦再開時から投手登録に変えることを根尾に告げた。当面は、敗戦処理の中継ぎから入り、中継ぎで投げない日は野手で待機となり、“二刀流”となるが、「将来的には先発を目指してほしい」という。 根尾は、15日の全体練習から投手の組に入って始動。初めて投手転向について口を開き「もっと打ちたい気持ちはある」と野手への未練を伝えつつ「野手から投手になった例はないと聞いているが僕は僕。どこでプレーしようと自分の目標に向かって取り組んでいきたい」との決意を語っている。 プロ4年目の今季は外野手で開幕を迎え、京田が打撃不振で2軍落ちするなどのチーム事情からショートへ再転向。ここまで26試合に出場し、38打数8安打で.211、0本塁打、4打点の成績しか残せてない。立浪監督が臨時コーチを務めた昨春から徹底指導を受けてきたが、スイングが大きくバットに体が振られているという状況を脱することができなかった。バットコントロールはうまいが、直球に差し込まれ、1軍クラスのボールに太刀打ちできていない。肩が強く外野の守備は魅力だが、チーム内ライバルと比較すると打撃が貧弱。守備固めで使うにしては、走力がなければ厳しい。ショートの守備が安定しているのであれば、我慢起用も有り得るだろうが、任せられるだけの守備力もない。内野&外野のユーティリティーとしてベンチに置いておくだけの平均値も突出した武器もないのが現状だ。 だが、一方で投手としては、初めて敗戦処理で起用された5月21日の広島戦で先頭の坂倉の初球にいきなり150キロをマーク。ヒットを許したが、ドラフト1位対決となった小園はライトフライに打ち取るなど、1イニングを無失点に抑えた。2度目の登板となった5月29日のオリックス戦でも150キロを出して二死から代打・宜保にヒットを許したものの宗や4番のマッカーシーらを凡退させ1イニングを無失点に抑えた。 四球はひとつも出さずストライクを取れる制球力と、まだストレートの質は、投手のそれではなく、いわゆる棒球ではあるが、150キロの球威に非凡さを見せた。