「はやぶさ2」カプセル内に砂 JAXA会見(全文1)夢にまで見た小惑星のサンプルが手元に
非常にフレッシュな形で持ち帰れた
渡邊:はい、名古屋大学の渡邊です。今日は非常にうれしい報告ができて、私も本当に喜んでいます。「はやぶさ2」のミッション、皆さんご存じのとおり、小惑星の表面、リュウグウの表面でのローバー、ランダーの着陸に始まりまして、タッチダウン、それからインパクター、さらには2回目のタッチダウンというようなことで、次々といろいろなミッションをこなしてきて、そのたびにバトンをつなぐような形で採れたサンプルを最後地球に持ち帰って、それで分析をすると、その一連のことができる、そこまでがこのミッションに非常に重要な部分であり、それが今日、まさにそのバトンが最終ランナーであるキュレーションチームにちゃんと渡ったということが確認できました。 太陽系では45億年前にいろんなものがつくられて、地球にもたらされてきたわけですが、それはちょうど今回、まさにわれわれのサンプルが戻ってきたと同じように地球にいろいろな形で、水であるとか有機物がもたらされて、そういったものがその後の地球環境をつくっていったとわれわれは考えています。そういったことを実証していくために、今回、地球の大気圏の外から、地球のものに混じらずに、非常にフレッシュな形で小惑星物質、表面物質を持ち帰ることができたと。 さらには表面の2カ所から、しかもその2カ所目はインパクターが開けたクレーターの底、すなわち地下の物質まで含まれていると、そういうふうに期待しているわけですが、そういった物質を含めて持ち帰ることができたということは非常に大きいと思います。
想定をはるかに超える量
われわれは太陽系のことを、今まで隕石というものを通じて【*ウワ 00:15:27】してきて、もちろんそれは非常に貴重なデータをいろいろわれわれに与えてはくれたんですが、どうしても気になるのは地上に落ちて、地球の物質と混ざってしまっているのではないか。特に有機物であるとか水というものは地上にたくさんあります。そういったものが仮に隕石から見つかったとしても、地上のものが混ざってしまったのではないかというそしりをなかなか免れるのが難しかったわけです。 それに対して今回、まったくそういうことが入っていないものを持ち帰られたときに、ガスが【*** 00:16:00】できたということは、カプセルが非常に良い状態で密閉されているということを示してますから、まさにまったく汚れていないものをわれわれは手にすることができた。 そしてこのあと紹介されるように、それが非常にたくさん、われわれの想定していたものをはるかに超える量を取れていたということで、これからキュレーションチーム、さらには初期分析チームがそれを分析することによって、科学的価値っていうのを明らかにしていく。そういったことでこの「はやぶさ2」というミッションは達成されるんだと、そういうふうに考えています。 「はやぶさ2」自身はこの見事なサンプルを最後、本当に司令塔が非常にいいパスを送るような形で、地上に降ろしてもらって、オーストラリアでそれを受け取って、最後には。その後は今度は次の小惑星に向かって、非常に高速自転するような小惑星に向かっていっているので、そういった11年のちになりますが、そういった先のミッションも含めて、さらにこのバトンが続いていくことをわれわれは期待しています。またそういったことがご紹介できることが今後、次々あるんだと思います。では私のほうからは以上なので、あとはそれぞれ担当のほうから詳しい説明をしていただきたいと思います。 吉川:渡邊先生、どうもありがとうございました。では具体的な説明に入っていきたいと思います。再び画面を共有いたします。では本日の記者会見の資料になります。本日の内容は先ほども申し上げましたように、ガス採取ということと、リュウグウサンプル確認ということになります。では早速キュレーション、初期分析のチームのほうから、サンプラーチームのほうですね。ご説明をお願いします。