英紙はサウサンプトン南野拓実の鮮烈な移籍デビューを「動きにまったくミスのない完璧なゴール!」と称える
今シーズン終了までの期限付き移籍での獲得を誰よりも望んだのは、サウサンプトンを率いて3シーズン目となるラルフ・ハーゼンヒュットル監督だった。オーストリア出身の指揮官は、母国の強豪ザルツブルクでプレーしていた南野の獲得をひそかに望んでいたと、ニューカッスル戦を翌日に控えた記者会見で明かした。リバプールの地元紙『LIVERPOOL ECHO』は同監督の言葉をこう報じている。 「昨年冬にタクミがリバプールへ移籍したときは本当に落胆した。タクミは私たちが求めているスタイルを熟知しているので、すぐにフィットして私たちを助けてくれると確信している」 サウサンプトンが求めるスタイルとは[4-4-2]のシステムのもとで、ハイラインとハイプレスを仕掛ける戦い方であり、ザルツブルクにも共通するものだった。そして、1月に入ってからのリーグ戦5試合でわずか1度、それも6分間の出場にとどまりながらも決して腐らず、日々の練習に全力で打ち込んできたからこそ、3日間だけの練習をへて臨んだデビュー戦で期待に応えられた。 リバプール時代の昨年12月19日のクリスタル・パレス戦以来となる、まるで閃光のようなプレミアリーグ通算2ゴール目へ、サウサンプトンの地元紙『SOUTHERN Daily Echo』の電子版は、ニューカッスル戦の試合経過を伝える速報のなかで最大級の賛辞を送っている。 「日本代表選手による、光り輝くようなファーストタッチから強烈な一撃がもたらされた。相手のゴールを打ち砕くまでの動きにまったくミスのない、完璧なゴールをデビュー戦のミナミノが決めた」 ゴールを決めただけではない。前半を1-3で折り返したサウサンプトンは、後半3分にMFジェームズ・ウォード=プラウズが鮮やかな直接フリーキックを決めて再び1点差に迫る。2分後にはぬかるんだピッチをものともしない南野の力強いドリブル突破が、MFジェフリー・ヘンドリックのファウルを誘発。前半11分に続くイエローカードを提示されたヘンドリックに退場が宣告された。 しかし、数的不利に陥り、引き気味になったニューカッスルを逆に攻めあぐねる。交代枠を使い切っていた34分にはDFファアビン・シェアが負傷退場。9人での戦いを余儀なくされたニューカッスルがさらに守備を固めたなかでゴールネットを揺らせないまま、試合終了を迎えてしまった。