「できないものをできないと言えない風土」日野自動車会見8月2日(全文3)
今回の調査は甘くないか
日経クロステック:日経クロステックの近岡です。率直に申し上げて調査、甘くないですかね。だって不正を全部見いだしてるわけじゃないですよね。それなのに真因を見いだすことってできるんですか。また、お伺いしていると、結局、担当者が悪いというようにどうも聞こえるんですね。これって、これだけ、2001年からトヨタ自動車が経営者になっている会社で、しかも役員、役員の方たちが開発現場についてあまり知らないっていうことはメーカーにおいて、しかもエンジンにおいて、それはにわかには信じられないですね。しかも先ほど、なぜ報告していなかったか分からないというようなご説明が今、委員長のほうからあったと思うんですけど、分からないんだったら分かるまで調べたらいかがですかね。 榊原:不正行為については可能な限り洗い出して、できる限りの調査をしたと思っております。それで、実際にそういったことについて報告しなかったのはなぜかということについて、多くの人たちからヒアリングして聞いておりますけれども、その点についての明確な答えがないということが実情だったんです。 日経クロステック:聞いて分からなければ分からないで終わりなんですか。そんなのは不正してる人たちが隠蔽してるかもしれないですよね。その人たちに言わせるような仕掛けが必要なんじゃないですかね。 榊原:そういった調査については任意調査であるという限界もあろうかというふうに考えております。
これから不正はなくなると断言できるか
日経クロステック:島本さん、これ、この調査で真因は究明されたと。把握され、これから不正に関して再発防止はなくなるというふうに断言できますか。 島本:断言って言われると非常に難しいところはありますが、今ご指摘いただいたような甘い調査したつもりはまったくなくて、かなり踏み込んだ、経営陣の問題についても直接知ってたかどうかっていうところまではつかめて、というか、ないっていうことになっていますけれども、こういう背景に至った課題っていうか問題っていうのはかなり踏み込んで報告書に書かせていただいていると思っていますので、ぜひ報告書を読み込んでいただきたいなと思います。 日経クロステック:具体的に不正を、こういう不正をしたっていう記述はあると思うんですけど、例えばパワトレの担当者の方々がやっていることっていうのは課長さんだったら絶対知ってるはず。課長さんの意見は絶対に部長まで上がってるはずなんですよ。部長まで日野自動車ほどの会社が開発現場について情報を知らないっていうことはないと思います。であれば最終的には部長が役員に上げなかったと、自分の保身により、忖度により上げなかったっていうなら理由は分からなくはない。だけど今回のご説明ですと、担当者で尻尾切りのようにしか感じられないですよね。部長の責任、どこいったんですか。 島本:これは報告書をぜひちゃんと読んでいただきたいと思うんですけれども。パワートレーン実験部の中において担当者だけの問題というふうには全然言及してないと思いますんで、ぜひ読んでいただきたいと思います。それなりの部門の責任者の方までが認識していて、その責任があるっていう報告になっていますので、今日のこの部分だけで、決してわれわれは担当者と言ってるつもりはないので、その辺はよく報告書をご理解いただきたいなというふうに思います。