アート・バーゼルとパリの組み合わせが最強かもしれない理由
パリを最大限に活かした壮大なアート体験
パリを本拠地とするギャラリーも存在感を示した。テンプロンのブースで注目を集めた塩田千春は、12月からはグラン・パレで開催される大規模展覧会(森美術館で2019年に開催された展覧会の世界巡回)を控えている。 また、アルミン・レッシュではアート・バーゼル・パリと時を同じくして開幕したルイ・ヴィトン財団の「Pop Forever トム・ウェッセルマン&...」のトム・ウェッセルマンの作品を大きくフィーチャー。美術館の展覧会はアーティストの価値を押し上げ、市場価格にも大きな影響を及ぼす。ギャラリー、アートフェア、美術館が密接にリンクしながら、壮大なアート体験を提供している。 パレロワイヤルやヴァンドーム広場といったパリの美しい名所にも出展ギャラリーによる著名アーティストのパブリックアートが披露され、アート・ウィークのパリを彩る。 アート・バーゼル(バーゼル)でもバーゼルの街中にアート作品を設置する「パルクール」が開催されているが、パリの魅力はやはり別格。街と現代アートが共鳴し、アート・バーゼル・パリは単なる商業イベントではなく、連動する展覧会も含め、パリという舞台装置を最大限に活かした壮大なアート体験を提供した意義は大きい。 藤野淑恵◎インディペンデント・エディター。「W JAPAN」「流行通信」「ラ セーヌ」の編集部を経て、日経ビジネス「Priv.」、日経ビジネススタイルマガジン「DIGNIO」両誌、「Premium Japan」(WEB)の編集⻑を務める。現在はアート・メディア、書籍等にコントリビューティング・エディターとして参加し、アート、デザイン、インテリア、トラベルなどを企画、編集、執筆。
Forbes JAPAN 編集部