本当に痩せたいならカロリー制限は不要!? その理由と科学的根拠
カロリー制限で骨密度が落ちる
25%のカロリー制限群と通常のカロリー摂取群で腰椎の骨密度を比較。カロリー制限群では、時間が経つほど骨密度が落ちる。
理由④ カロリーの把握は難しい
カロリー制限で痩せるための大前提は、摂取カロリーの把握だ。そう書くと簡単に聞こえるが、これが難題。理由は2つある。第1に、摂取カロリーのセルフモニタリングが難しい。 「摂ったと自覚しているカロリーと、実際に摂ったカロリーには大きな差がある。摂ったカロリーを100とすると、自分で記録するカロリーは平均80に留まるとわかっています。つまり20%ほど、摂取カロリーを低く見積もる傾向があるのです」 特に太っている人は“過少申告”しやすく、最大で40%ほども摂取カロリーを低く見積もるという。だから「水を飲んでも太る!」などと文句の一つも言いたくなるのだろう。 第2に、カロリー表示の信頼性は思ったほど高くない。コンビニでもファミレスでも、カロリーは1桁台まで表示されている。だが、「食品表示法」という法律で、カロリー(熱量)表示には±20%の誤差が許されている。 つまり500キロカロリーと書かれていても、本当は400~600キロカロリーだということ。これではあまりにアバウトすぎて、必死にカロリー計算しても意味がないのである。
理由⑤ 満腹感に従えば適正摂取できる
カロリーに頼れないとしたら、一体何を目安にすれば、自分にとって最適の食事ができるのだろうか。 「もっとも頼りになるのは、満腹感。満腹感に素直に従っていれば、太りすぎる心配はないのです」 満腹感で大きな働きを担うのは、消化管から分泌される消化管ホルモン。ことに小腸の壁を作る細胞の約1%はセンサーを持ち、摂った栄養素を感知してホルモンを分泌。栄養素が満たされると、食欲を抑える。 満腹感で食欲をコントロールするコツが2つある。1つ目は、ご飯などの穀物、お菓子などの糖質を控えること。糖質を過食すると、消化管ホルモンによる食欲の制御が乱れる。糖質を減らし、肉類や魚介類といった主菜からタンパク質と脂質をしっかり摂れば、ホルモンで食欲は正しく調整される。 2つ目は、早食いを避けること。消化管ホルモンが分泌されるまで、食べてから15~20分ほどかかる。その間、味覚に惑わされた脳から「美味しいから、もっと食べよう!」というシグナルが出続けると、誘惑に負けて消化管ホルモンが効く前に食べすぎる。よく嚙み、できるだけゆっくり食べよう。