本当に痩せたいならカロリー制限は不要!? その理由と科学的根拠
理由⑦ 血管を傷つけるヨーヨー現象が防げる
カロリー制限がメインのダイエットで必ず起こるのが、リバウンド。減量後に体重と体脂肪量が元に戻り、開始前より太ってしまうのだ。 リバウンドの主因は、前述のようにカロリーを制限すると筋肉が減り、代謝が落ちるから。カロリー制限は長続きしないので、いずれ食事量は元に戻る。すると減量中に代謝が落ちた分だけ、エネルギー収支が黒字になりやすく、リバウンドを招く。 そこで慌ててカロリー制限ダイエットを行うと、一時的に痩せても、またリバウンドする。かくて減量→リバウンド→減量…を続けて、体重の増減を何度も繰り返すことを「ヨーヨー現象」と呼ぶ。 カロリー制限で落ちた筋肉は、筋トレに励まない限り、取り戻せない。だから、ヨーヨー現象で代謝は落ち続け、ますます痩せにくくなる。悲劇はそれでは終わらない。ヨーヨー現象が生じると、カラダでもっとも大事なインフラである血管が傷つき、死亡リスクも上がるのだ。 「体重の上下動が激しい人は、心臓病や脳卒中を生じやすく、死亡率も高いことが報告されています。また、体重の上下動の回数が多い人も同様であると懸念されています」
取材・文/井上健二(初出『Tarzan』No.841・2022年9月8日発売)