本当に痩せたいならカロリー制限は不要!? その理由と科学的根拠
理由② 計算通りに痩せられない
肥満は無駄な体脂肪が溜まった状態。減量で減らしたいのは体脂肪だ。 体脂肪は1g7.2キロカロリー、1kgで7200キロカロリーだ。そこで1日500キロカロリー減らせば、1か月で体脂肪が2kg落ちる(7200×2÷30=480キロカロリー)という計算も成り立つが、そうは問屋が卸さない。なぜか。 太るか、痩せるかを決めるのは、摂取カロリーと消費カロリーのバランス。摂取カロリーが消費カロリーを下回ると、エネルギー収支が赤字に傾き、余分な体脂肪が燃やせる。 ここで無視できないのは、摂取カロリーと消費カロリーは独立しておらず、リンクしているという事実。摂取カロリーを減らすと、消費カロリーも連れ立って減ってしまうのだ。 体脂肪は飢餓に備えたエネルギー。急に減るのは好ましくない。そこで摂取カロリーを減らすと、自律神経が消費カロリーの6割を占める基礎代謝を下げ、消費カロリーが落ちる。だから、計算通りに痩せないのだ。 頑張ってカロリー制限を続けると、体内環境のセットポイントが変わり、体脂肪は落ち始める。だが、そのときカラダには深刻なダメージが及ぶ。それについては次の項目で!
理由③ 筋肉や骨が減ってしまう
カロリー制限が何より罪深いのは、大事な筋肉を削ってしまうから。 摂取カロリーを減らし続けた結果、セットポイントが変わり、エネルギー収支が赤字になると、体脂肪ばかりではなく、筋肉のタンパク質も分解されてエネルギーとして使われる。 筋肉のタンパク質はつねに分解と合成を繰り返しているが、エネルギー収支を赤字化すると分解が合成を上回り、筋肉が落ちてしまうのだ。 前述のように、消費カロリーの6割は基礎代謝。筋肉はその基礎代謝の2割以上を担う。筋肉が減ると、基礎代謝の低下→消費カロリーの減少というドミノ倒しが進み、カロリー制限しても一層痩せにくくなる。 加えて、カロリー不足だと運動する気力も元気も湧いてこない。運動不足でカラダを動かさない期間が長くなるほど、筋肉の萎縮はどんどん進む。運動ができないときは、むしろカロリーをしっかり摂った方が、筋肉が衰えるスピードにブレーキがかかることがわかっている。 体型の土台を作るのは筋肉だから、筋肉が減ると体型は緩む。また筋肉とともに骨も減るため、骨格自体が貧弱になり姿勢が崩れる恐れもある。まさに踏んだり蹴ったりなのだ。