自滅を誘った”森保采配”に疑問…サウジアラビアに0-1敗戦でW杯アジア最終予選突破に黄色信号点滅
自滅から決勝点を献上した森保ジャパンが、7大会連続7度目のワールドカップ出場へ向けて黄信号が灯る、悪夢のアジア最終予選2敗目を喫した。 敵地ジッダのキング・アブドゥラー・スポーツシティー・スタジアムで、日本時間8日午前2時にキックオフされたサウジアラビア代表とのカタールワールドカップ・アジア最終予選第3戦は、ともに無得点で迎えた後半26分に予期せぬ形で均衡が崩れた。 ハーフウェイライン付近からDF吉田麻也(33・サンプドリア)へのバックパスを選択したMF柴崎岳(29・レガネス)が痛恨のミスを犯し、絶妙のスルーパスの形になったボールを拾ったFWフェラス・アルブリカンに決勝ゴールを決められた。 オマーン代表との初戦に続いて敗れた日本は1勝2敗と再び黒星が先行し、無傷の3連勝としたサウジアラビアとの勝ち点差は6ポイントに広がった。ショックを引きずったまま帰国の途に着いた日本は12日に舞台を埼玉スタジアムに変えて、同じく3連勝で得失点差でグループBのトップに立つオーストラリア代表と対戦する。
唇をかみしめながら数秒間の沈黙を保った後に、キャプテンの吉田が必死に言葉を紡いだ。試合後のフラッシュインタビューに、森保ジャパンの敗因が見え隠れしていた。 「ミスが起こってしまったのはしょうがないと思うので。それも含めてサッカーですし、それよりも0-0のときに点が取れなかったことが問題。よく我慢していたと思いますけど、本当にあのひとつだけで。相手に形を作らせることもなかったんですけど」 まさかのシーンは、両チームともに無得点だった後半26分に訪れた。 右タッチライン際でこぼれ球を追いかけた柴崎が、相手の素早いプレッシャーを受けた状況で、ハーフウェイライン付近から自陣の吉田へのバックパスを選択する。 しかし、思い描いていた以上に吉田との距離が近かったのか。柴崎の右足から放たれたボールは吉田のはるか左側を通過して、吉田へプレッシャーをかけようと間合いを詰めてきたアルブリカンへの絶妙のスルーパスへと変わった。 そのまま抜け出し、ドリブルで日本ゴールへ迫るアルブリカンを吉田が、センターバックを組む冨安健洋(22・アーセナル)が必死に追走。ペナルティーエリア内へ侵入されてからは、ゴールキーパー権田修一(32・清水エスパルス)も前へ出てくる。 しかし、最後に左へわずかにコースを変えるフェイントを入れ、直後に左足を振り抜いたアルブリカンのシュートは権田の股間を突いて日本ゴールに突き刺さった。追いすがった冨安は両手を大きく広げ、無念の思いを込めて敵地の夜空を見上げた。 吉田が言及したようにミスは仕方がない。それでも柴崎は前半の途中からボールを失う場面が目立ち、ナイトゲームとはいえ高温多湿の状況下で、プレーには明らかに疲労が色濃く反映されていた。森保一監督も試合後にこう語っている。 「選手たちが全力を尽くして戦ってるなか、後半に疲労が見えてきたところで(パスが)合わなかったシーンが失点につながってしまった」 柴崎のミスパスよりも深刻なのは、柴崎を含めた先発陣の顔ぶれとなる。案の定と言うべきか。予想通りの11人が敵地のピッチでキックオフの笛を聞いた。 システムは変わらずに[4-2-3-1]のまま、故障で招集外となった久保建英(20・マジョルカ)に代わるトップ下に鎌田大地(25・アイントラハト・フランクフルト)が、伊東純也(28・ヘンク)が出場停止の右サイドには浅野拓磨(26・ボーフム)が入った。