たった1品、1分で「自己肯定感」が上がる:コーセーが提案するメンズメイクの新たな可能性
アンケートで調査した心理状態の指標は、大きく分けて3つ。「主観的幸福感尺度」「協調的幸福感尺度」「ポジティブ感情頻度」である。結果はというと、3つの指標全てにおいて、ポジティブな感情が上昇していた。
「『主観的幸福感尺度』とは、“過去と比較して現在の生活は幸せか”など、自分自身が感じる幸福感の指標です。『協調的幸福感尺度』とは“大切な人を幸せにしている”など、他者とのつながりによって得られる幸福感の指標ですね。 『ポジティブ感情頻度』は“活気のある”“気合いの入った”など前向きな心理状態を、過去1ヶ月でどのくらい感じたかの頻度を示します。全ての指標においてポジティブな感情が増加し、ネガティブな感情が減少したのは驚きでした」 もうひとつ、末松さんが驚いたのは、BBクリームの使用率だ。メイクレッスン後、男性に渡す際に「(試験のために)必ず使ってください」とは、伝えなかったという。 「“使ってみたい方は、よかったらお試しください”とお伝えしました。私たちは“メイクアイテムは無理して使うものではない”と考えているからです。半分くらいの方に使っていただけるかなと予想していたら、実に9割以上の方が使ってくださいました。これはうれしい驚きでした」 今回の試験の対象者は「ニキビ跡」に悩んでいるため、凹凸を隠す方法としてメイクに興味を持ちやすい面もあるだろう。別の角度から考えると「ひげ剃り跡」や「シミ」など、なにがしかの肌悩みを抱える男性は少なくないはず。男性の潜在的なメイクニーズを示唆しているようにも思う。 「実を言えば、試験前からメンズメイクには一定のニーズがあり、心理的にもよい変化があると予想していました。私自身が学生時代に“肌のテカリ”に悩んでいたからです。今ほどメンズ美容に寛容な時代ではなく、人目を気にして、こっそりあぶらとり紙を使っていました」 コーセーに入社して、初めて「フェイスパウダー」がテカリの解消に有効と知った末松さん。試してみると、肌がサラサラになることにいたく感動したという。