大掃除は完璧を目指してはいけない。片づけ心理カウンセラーが指摘「完璧主義の人の部屋ほど散らかっていることが多い」の不思議
インテリアコーディネーターの経験と心理カウンセラーの知識を元に、「片づけ心理カウンセラー」として4000人以上の方の悩みに答えてきたおむらちもさん。実は、自身も汚部屋出身だったそうで……。その経験から導き出した、無理なくスッキリした部屋が続く意外な秘訣とは?おむらちもさんの著書『不思議なくらい部屋が片づく魔法の言葉』より一部を抜粋して紹介します。 【書影】片づけ心理カウンセラーとして、自身の汚部屋だった経験をもとに「4000人以上」の方の悩みに答えてきたおむらちもさん著『不思議なくらい部屋が片づく魔法の言葉』(幻冬舎) * * * * * * * ◆完璧主義の人の部屋ほど散らかっている不思議 魔法の言葉:私、完璧主義だったのか~! 多くの片づけが苦手な方に共通する「思考の癖」があります。それは何かというと「完璧主義」なんです。 これを聞くと最初は、いまいちピンとこないなと思われる方が多いようです。「だって、完璧には程遠い部屋だし……」「きちんとできない性格だから、部屋が片づかなくて困っているのに……」そんな声が聞こえてきそうですが(笑)。 そもそも、「完璧主義」とは「完璧にできる人」を指す言葉じゃないんです。完璧に憧れている人の「主義」なので、今の自分の現状がどうであれ「理想」や「思い」みたいなものを指すんですよね。 あなたは、片づけをする時に「ここまではやりたいな」といつも高めの目標設定をしていませんか。 結構時間がかかったり、体力が必要だったり、簡単にはできないような目標を設定し、疲れてしまっていませんか。頑張らないとできないレベルの目標なのに、できたとしても「当たり前」。 できなかったとしたら「あーあ、ダメだったね」なんて自分へダメ出し。そんなことやっていませんか?
◆実は、それが「完璧主義」なんです そして、終わった後も「結局、あれもできなかった。これも中途半端」なんて、自分をいじめ続ける。 心当たりのある方は、自分の気持ちになってみてください。苦手な片づけを自分なりに一所懸命頑張ったのに、そんな言葉をかけられたら、可哀想だと思いませんか。 かくいう私も、実はそうでした。昔の私の部屋は、あちこち物が溢れ、そこらじゅう埃(ほこり)だらけ。 そんな部屋に住む私は、自分のことを「完璧主義」だなんて、夢にも思っていませんでした。むしろ、その真逆の「ルーズ主義」っていうのがあったとしたら、「私、それです!」なんて、当時の私は言うに違いないと思います(笑)。 でも、誰かが家に来る!となると、途端に焦って、目の色が変わります。それは「やる気」の目じゃなくて、「厳しいチェック」の目です。 「あそこはまだできてない!」「こんなんじゃ、見られたら恥ずかしい!」なんて、必死になります。 そして、ここまでできたらいいかな、という最初の目標を達成しそうになったら「もう少しやれるでしょ、ここまでやったら!?」と、ポーン!と目標を跳ね上げます。 そうこうしている間に、タイムリミット。だから、目標を達成した!と思ったことはなく、終わった後は、できなかったという虚しさと大きな疲労感に襲われていました。
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