BIGBOSSが4番指名した清宮幸太郎の特大アーチは覚醒の予兆なのか…”はちゃめちゃ連敗”の中で光ったポテンシャル
オープン戦では、BIGBOSSは清宮を2月27日の広島戦で「1番・一塁」で先発起用するなど、2番、5番、9番で、6試合に先発起用したが、27打席でわずか5安打打率.200、本塁打はゼロに終わるなど結果を残せていなかった。それでも新庄監督は、直接かけあって中日の立浪監督からの指導チャンスを作り、開幕直前の20日には、稲葉GMと共に直接指導して大幅な打撃改造に着手した。 これまでのオープンスタンス、足をあげてのタイミングの取り方から、スクエアスタンス、摺り足に変え、手首をクネクネと動かすタイミングの取り方も止めさせた。その改造に手応えを感じていたからこそ新庄監督は、開幕第2戦でオープン戦でも打たせなかった4番に清宮を指名したのである。 パの野球に詳しい元阪神、ダイエー(現ソフトバンク)、ヤクルトで評論家の池田親興氏も清宮に覚醒の予兆を感じたという。 「覚醒へ向けての取り組みの成果の一端が見えた。減量指令で、明らかに肉体はシェイプアップされ、脂肪だけでなく、打撃フォームからも無駄な動きが一切はぶかれてタイミングの取り方もシンプルになった。大ファウルも含めて、あれだけの飛距離を出せる“ツボ”があることをハッキリと示した。これが失いかけていた彼のポテンシャルであり魅力。早実時代から自分のスタイルを持っている打者が、あそこまでガラっと打撃スタイルを変えることはなかなかできないこと。相当の覚悟と同時に彼が持つセンスというものを思い出させてくれた。連敗となったが、清宮を含めて、日ハムに投打に磨けば光る若い素材があることがよくわかった。チームに足りないのは力でなく経験。“優勝は狙っていない”という新庄監督の今季の戦いのテーマはそこなのだろう」 9回は、清宮の一発が呼び水となり、二死から粘り、クローザーの森を引っ張りだして、ホームランが出れば逆転となる二死満塁のチャンスにつなげた。代打・宇佐見が見逃し三振に倒れたが、最後の最後までギブアップはしなかった。 池田氏は「打順の組み合わせ次第で、大きく変わる可能性を秘めていることを感じた」という。 「昨日、今日の得点はすべてホームラン。昨日の石井、今日もアルカンタラが2本、清宮が1本打ったが、いずれもソロ。アルカンタラ、ヌニエスの新外国人2人に、6年目の石井、そして近藤の4人が打線の軸になるのだろう。彼らの前にいかに走者をおくかがポイントになり、あとの5人をどう組み合わせるかの最適の打順を見つけたときに得点力が生まれると思う。そこに清宮が4番として加われば理想だろう」