日ハム新庄監督がSNSでクローザー候補のドラ8位ルーキー北山を開幕投手にサプライズ指名した波紋と“真の狙い”
日本ハムの“BIGBOSS”新庄剛志氏(50)が23日、自身のSNSにてソフトバンク戦(25日・PayPayドーム)の開幕投手をドラフト8位ルーキーの北山亘基(22、京産大出)に決定したことを発表した。北山はオープン戦で5試合6イニングに投げ無失点に抑えているが、一度も先発はしておらず、新守護神候補と期待されていた。ルーキーの開幕投手抜擢は2013年の楽天の則本昂大(31)以来、9年ぶり14人目となる。新庄らしいサプライズ抜擢にネット上で波紋が広がっているが、真の狙いは、ソフトバンクのエース千賀滉大(29)とのマッチアップを避ける“ローテーずらし”にあると見られており、したたかな“BIGBOSS戦略”だ。
「強い相手に全員でくらい付き立ち向かう」
SNS発表も異例なら、指名したのがルーキーで、しかも新守護神候補だったことも異例だ。BIGBOSSは開幕を2日後に控えた23日、ツイッターに「25日から始まる福岡ソフトバンク開幕戦 開幕投手 北山亘基投手でいきます」と投稿。インスタグラムにも「25日の福岡ソフトバンク 開幕投手は 北山亘基投手で行きます!! 強い相手を全員で 喰らい付き 立ち向かい 観に来てくれた皆さんに楽しんでもらうゲームをお見せします 乞うご期待!!」(原文ママ)と書き込んだ。 ドラフト8位で京産大から入団した北山は、オープン戦5試合で6イニングを投げ3安打無失点で防御率0.00と打たれていない。打者21人に対して13奪三振の高い三振率。上から投げ下ろすストレートは最速156キロを誇り、常時150キロ以上をマーク。そこに速度差のあるナックルカーブ、カットボール、そしてウイニングショットに落差の大きいフォークがある。 ボールに角度があるから落ちるボールが効果的で本拠地デビューとなった3日のヤクルト戦では、サンタナを156キロの釣り球でスイングアウト、続く宮本をフォークで空振り三振、最後は育成の赤羽を153キロのストレートで空を切らせる圧巻の三者連続三振を演じて新庄監督の度肝を抜いた。ソフトバンクの藤本監督も北山を冷静に分析しているが、細かいコントロールはなく、球威と変化球のキレで勝負するタイプ。先発より短いイニングに適性がある。 クローザーの杉浦が足の故障で出遅れていたこともあって新守護神候補として急浮上していたが、新庄監督は、その新戦力を開幕投手に指名したのである。 ネットも大騒ぎ。「ワクワクする」「本当に何をやってくるかわからない」「単に周りを驚かせる戦略というわけではなくホークスが初モノにめっぽう弱いということも分析した上での指名では?」などの好意的な意見とともに「上沢、伊藤になんて説明するつもりなんだろう?」と疑問視する意見も見られた。賛否はあるが、“新庄劇場”は、レギュラーシーズンのしょっぱなから全開である。