巨人に見抜かれていたボーアの狙い…14年ぶり開幕連敗の裏に矢野阪神「4番途中交代」「継投ミス」の”迷走采配”
阪神が20日、東京ドームで行われた開幕第2戦で巨人に1-11と大敗、2006年以来、14年ぶりの開幕連敗スタートとなった。4番のボーアは2度の満塁のチャンスを潰し4打席ノーヒットに終わったが、矢野監督は、まだ2点差の展開で途中交代させた。先発の岩貞祐太は力投したが2番手として投入したドラフト6位の小川一平、3番手の谷川昌希が7回に崩れゲームを壊した。ネット上ではチグハグな矢野監督の采配を疑問視する声が上がっている。
GT明暗を分けた7回の攻防
勝敗を分けたのは7回の攻防だった。 1-3のスコアで迎えた7回に阪神は、巨人の”新勝利方程式”の一人、ビエイラの制球の乱れにつけこんで二死満塁のチャンスをつかんだ。打席には、4番のボーア。原監督は、左腕、高木京介の名前をコールした。ボーアは練習試合から対左腕に16打数ノーヒット。メジャー時代も、ここ5年の対左の平均打率は.214、通算本塁打8本と苦手にしていたが、この日も、巨人先発の左腕、田口麗斗の前に「3タコ」に抑え込まれていた。3回にも二死満塁でアウトコース低めのスライダーをひっかけてセカンドゴロに打ち取られている。 今季からベンチ入りした新任の中日OB、井上一樹打撃コーチは、打席に向かうボーアに何かアドバイスをしていた。おそらく高木の傾向説明、狙い球の指示だったのだろう。 初球はインサイドへのスッポ抜け。高木も緊張していた。 2球目は、140キロのカットボールをアウトコースいっぱいに決められた。続く3球目もほぼ同じ場所に141キロのカットボールが決まり簡単に1-2と追い込まれた。ボーアは、まるで金縛りにあったかのように反応を示さなかった。ここで考えられるボーアの思考は、「変化球狙い」「外を捨て真ん中からインサイド寄りのボール狙い」の2点である。 「重心が後ろに残りすぎているので外のボールの見極めができない」と、ハンシン・レジェンド・テラーの掛布雅之氏が指摘していたが、データとして、「左腕の外角ボールに弱い」をインプットしてきたベテラン捕手の炭谷銀仁朗は、ストレート系のボールに反応を示さなかったボーアの様子を見て「変化球狙い」と察知したのだろう。 アウトコースの同じ場所にミットを構えた炭谷は変化球を使わずストレートを選択した。ほぼ同じコースに147キロのストレートが糸を引いた。ボーアは腰をかがめてボールを見逃した。勝敗を分けた4番打者の「4球三振」だった。