阪神泥沼1勝6敗と横浜DeNA破竹5連勝の差はどこに…矢野監督の”迷走”とラミレス監督の”深慮”
実は、今永は、前日のリモート会見で、対阪神打線のポイントを右打者ではなく左打者とし「福留、糸井、近本」の3人の名前をあげていた。 「インサイドをいかに使って左打者の右肩を早く開かせるかが重要」と封じ込める糸口を口にするほどだった。名前は出さなかったが、昨季、阪神で最も打たれたのが、打率.375の木浪聖也だった。糸井には、打率.100と相性は良かったのだがデータより印象なのだろう。 しかも、その矢野采配には、一貫性がなかった。 1点を追う8回の二死一、二塁のチャンスに北條に代え、なんと今永に対し左の代打・糸原を送ったのだ。今永の武器であるチェンジアップは、左打者の方が見極めることができる、との勘が働いたのかどうかはわからない。だが、糸原の昨年の今永との対戦成績は7の1、打率.143である。昨年「3の0」の北條を起用したのであれば、その前の打席の三振の内容が悪かったにせよ、最後まで信じることができなかったものか。 横浜DeNAのマウンドには、木塚投手コーチが行き、今永に「この回、力を出し切って抑えてこい」とハッパをかけた。今永も「ここがターニングポイント」とギアをもう一段上げた。糸原は高めのボール気味のストレートに手を出しセカンドゴロに終わった。厳しい言い方だが、采配に明確な根拠を示さず、結果が出なければ、単なる“迷走采配”である。 さらに矢野監督の“迷走“は続く。 これ以上、追加点を渡せないその裏、新人の小川をマウンドに送ったのだ。開幕カードの巨人戦でも、僅差のビハインドで起用されたが荷が重くゲームを壊した。その後、楽な場面で使ってもらっていたが、再び1点差のまだ勝敗の行方がわからない展開で指名がかかった。しかも、ソト、オースティン、佐野、ロペスと続く、2020年型ベイ打線の肝とも言える打順である。案の定、ソトに打たれ、オースティンには、バックスクリーンに来日2号2ランを放り込まれた。 実は、オースティンは、ここ数試合で弱点も見せていた。外角低め、或いは、もう少し内寄りでもギリギリ、ボールゾーンに落ちる変化球にバットが止まらないという穴をさらけだしていた。西も、そこに精密にボールを集め、前の二打席は、投ゴロ、三振に打ち取り、弱点を意識させたことで、5回二死満塁のピンチでは逆にインサイドのシュートを使い投ゴロに詰まらせた。 だが、小川には、まだそのコントロールがない。1球、2球、どれも甘いボールで、最後は、ほぼ真ん中の147キロのストレート。ハマのVの使者は、さすがに見逃してはくれなかった。