提言規制方向の議論が先行しがちだが、規制は言論の自由とのトレードオフになり、着地が難しい。逆に、なるべく候補者間で公平にSNS、ネットを活用できるようにする手も議論されるべきだ。 例えば選挙には、選挙公営制度がある。選挙に出馬する人が作成するビラやポスターの費用が公費で負担されたり、政見放送や選挙公報で公平に主張を届ける機会を提供される。SNSを使いこなす候補者とそうでない候補者で著しく差が生じているなら、その差を埋められる機会を選挙公営制度などで担保していく(例えば自治体などのチャンネルで動画の政見放送が配信される機会を担保する、あるいはビラの公費負担同様、一部ネット広告の公費負担を設けるなど)ことも議論されるべきではないだろうか。 公選法は古い法律だ。今の制度は昔のメディア環境を前提にしているが、世はメディアシフトの時代だ。時代にあわせて自由な選挙をどう守るかという議論があっても良い。
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コメンテータープロフィール
「シン・情報戦略」(KADOKAWA)著者。1988年(昭和63年)山口県生まれ。2008年、報道ベンチャーのJX通信社を創業。「報道の機械化」をミッションに、テレビ局・新聞社・通信社に対するAIを活用した事件・災害速報の配信、独自世論調査による選挙予測を行うなど、「ビジネスとジャーナリズムの両立」を目指した事業を手がける。
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